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いわきFC主将は海外を経験したU-16日本代表歴を持つリオ世代DF

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[4.10 福島県社会人2部 いわきFC8-0グロリーズ福島 いわきGF]

 福島県社会人リーグ2部の開幕戦に臨んだいわきFCは、グロリーズ福島に8-0で快勝し、新体制の船出を飾った。主将のDF古山瑛翔(22=NKラドムリエ/スロベニア)は「毎試合、勝利に向かってやっていきたい」と力強く話した。

 千葉県出身の古山だが、中学進学と同時にJFAアカデミー福島に入団。東日本大震災のために高校最後の1年間は静岡県に拠点を移したが、5年間は福島県で実力を磨いた。

 高校1年生だった2009年8月にはU-16日本代表に選出されると、第10回豊田国際ユース大会に出場した。リオデジャネイロ五輪への出場を決めた現U-23日本代表で活躍するDF遠藤航(浦和)やMF原川力(川崎F)、FW久保裕也らとともにサムライブルーのユニフォームに袖を通した。1月に行われた五輪予選はテレビ観戦。「今すぐ追いつくことは出来ないかもしれないけど、いわきFCで成長して、いずれは追いつき、追い越していければいい」と同世代の活躍に大きな刺激を受けた。

 JFAアカデミーを退団後は海外挑戦。フランスに渡ると、ディジョンのセカンドチームに在籍した。ただ外国人枠の関係もあり思うようにプレーできずにいると、スロべニアでのプレーも経験。しかしその苦労は成長の糧になっていると信じている。日本復帰、そしていわきFC入団を決断する際にも、「海外のサッカーと日本のサッカーを自分自身は分かっているつもり。監督は欧州のサッカーをしているので、自分も理解できる部分がある」ことが理由の一つになった。

「海外での経験はネガティブに考えるのではなく、ポジティブに考えれば成長に繋がると思っている。上手くいろいろ福島県2部という葛藤もありますけど、ポジティブに考えて、自分の成長につなげたい」

 目標はあくまでトップリーグで活躍すること。その道筋として、いわきFCを選択したことに今は後悔はない。「下から一つずつ、自分もチームも成長して行ければいい」。22歳が壮大な夢に向かって駆け出した。

(取材・文 児玉幸洋)

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