beacon

[プレミアリーグEAST]苦しい流れの中で見せた反発力、柏U-18が横浜FMユースに追いつきドロー

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.10 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 柏U-18 1-1 横浜FMユース 味スタ西]

 4月9、10日に行われた高円宮杯プレミアリーグEAST開幕戦、セントラル開催の最終戦となったのは一昨年の王者である柏レイソルU-18(千葉)と今季から新規参入を果たした横浜F・マリノスユース(神奈川)いう好カード。昨夏の日本クラブユース選手権を制したレギュラーメンバーがズラリと残った横浜FMが優勢に試合を進めたが、尻上がりにパフォーマンスを上げていった柏が土壇場で追い付き、1-1のドローに終わった。

 前半のシュート数は柏1本に対して、横浜FMが10本。ポゼッションを重んじるチーム同士の対戦は、10倍のフィニッシュ回数が示すようにトリコロール軍団が優勢の流れだった。ただ、「(緊張で)硬くて、イージーミスが本当に多かった」と松橋力蔵監督が首をひねったように、シュート自体を含めて肝心なところで技術的なミスが出るなど得点には至らない。DF常本佳吾も「正直、みんな緊張していた」と、初めてのプレミアリーグでチームに精神的に上ずった部分があったことを認める。それでも42分、PKからMF薄葉迅人が先制点を奪い、1-0で折り返すことに成功した。

 大会前に就任した柏の永井俊太監督はハーフタイムに徹底したのは「自分たちのサッカーをやろうぜ」ということ。落ち着いてボールを動かしていく時間帯が短かった点をあらためて選手たちに考えさせた上で、スタイルを貫くことを徹底させた。14分にはU-17日本代表FW中村駿太を前線に投入。流動的な動きからパスを引き出す中村が入ったことで前線も活性化し、横浜FMがさらに得点機を逸したこともあって試合のペースは柏に移っていった。

 39分にはU-17日本代表MF田中陸、中村と繋がって最後はMF中村陸が押し込んで同点ゴール。さらに攻勢を強めてMF大谷京平の逆転ゴールも決まったかに見えたが、これはゴール宣告の後に判定が覆って無情のオフサイドに。結局、1-1のまま無念のドローとなったが、柏の永井監督は苦しい流れの中で選手たちが見せた反発力を評価。「最後まで選手が見せてくれた雰囲気を次につなげたい」と判定への不服などは一切口にせずに、選手たちの奮闘を称え、次節を見据えた。

 一方、再三の決定機逸が響いて追い付かれることになった横浜FMの松橋監督は「これがサッカーですよね。ああいうチャンスを決めないと、こうなる」と肩を落とした。ただ、単なる決定力不足という総括ではなく、終盤にかけて「守備のところでパッションが足りなかった」とも指摘。粘り強さが出せなかったことを敗因として挙げつつ、巻き返しを誓った。

[写真]後半39分、柏U-18は中村陸のゴールで同点に追いつく

(取材・文 川端暁彦)
▼関連リンク
2016プレミアリーグEAST

TOP