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[MOM1759]青森山田MF住永翔(3年)_「自分みたいなやつが奮起しないと」最後までスキないプレー見せた新主将

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.10 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 流通経済大柏高 0-3 青森山田高 味スタ西]

 青森山田高の高円宮杯プレミアリーグEAST開幕戦は、3-0の完封勝利に終わった。特に誰か一人のパフォーマンスが際立ったというゲームではなかったが、MF住永翔(3年)のプレーは確かな印象を残した。

 決して派手なタイプではない。豪快なドリブル突破を見せるタイプではないし、得点を演出したわけでもない。ただ、ミスなくパスを散らして相手のプレッシャーをいなしつつ、「試合のポイントだと思っていた」と言うセカンドボールに対しては素早くポジションを修正してこれを拾い続けた。新チームになってまだ日が浅いだけに、「去年から出ている俺みたいな選手が軽いプレーをするのは絶対にダメだと思っていた」と自分を戒めながら、最後までスキのないプレーを披露してみせた。

 中学時代はコンサドーレ札幌U-15でプレー。「もう一人のボランチの評価が高かった」という中で、「昇格見送り」の知らせを突きつけられた。そのとき、当時の関監督に「山田、行ってみるか?」と薦められて参加した青森山田の練習が「すごく良い雰囲気だったので」と進路を選択。海を渡る15歳の決断は「『あいつはコンサに落ちてむしろ伸びたな』と思われたい」という願いから。そのために大きな一歩を踏み出した。

 昨季2年生でレギュラーポジションをつかみ、今季はキャプテンにも指名された。「青森山田史上最高のキャプテン」と評された北城俊幸の後を受けるだけにプレッシャーもあるが、「住永翔には住永翔なりのものがあると思っている。仲間のことをよく観ながら、周りの選手にもバックアップしてもらいながらやっていきたい」と前向きに語った。

 高円宮杯プレミアリーグ開幕直前には、中学時代の同僚だった札幌FW菅大輝がJ2リーグで先発すると聞いて、映像で観戦。「アイツを観てモチベーションが上がった」と笑う。「いまは(菅に)負けているけれど、追い付くために山田へ来た。自分みたいなユースを落ちたやつが奮起しないと高校サッカーはダメになりますから」と、青森山田の新主将は先を行くかつての僚友を追いかけ、追い越すことを誓った。

(取材・文 川端暁彦)
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