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[MOM378]早稲田大MF小林大地(4年)_インカレの悔しさ胸に、4年生MFが「遅いくらい」のリーグ戦初ゴール

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.17 関東大学リーグ1部第3節 早稲田大1-1国士舘大 味フィ西]

 待望のゴールだった。早稲田大MF小林大地(4年=流通経済大柏高)は国士舘大戦の0-1で迎えた後半25分に同点弾。昨季全22試合に出場しながらも無得点だったMFは「遅いくらいでした」と大学リーグ初ゴールにハニかみながらも「勝ちきれなかったことが悔しい」と試合を振り返った。

 昨年末に行われた全日本大学選手権(インカレ)準々決勝で、早稲田大は国士舘大に1-4で敗戦。この試合に先発していた小林だったが、4失点した後半32分に途中交代。FW山内寛史(4年=國學院久我山高)とともにピッチを去っていた。

 敗れた試合後には、小林と山内が名指しで批判を受けたという。「途中で交代になった山内と2人で諦めて、ふてくされていたんです。『それはワセダの振る舞いではない』と山内と自分の名前を挙げて怒られました」。そのときの悔しさや反省の思いは新シーズンの今も胸のうちにくすぶっていた。だからこそ、この日の国士舘大戦は「インカレでの悔しい思いがあったので勝ちたかった」と強い思いで臨んでいたという。

 しかしチームは開始約30秒にスローインからのロングシュートを決められ失点。この場面でマークについていたのは小林だった。「立ち上がりからしっかりしようとしていたのに。スローインのマークが自分で、前を向かれてシュートを打たせてしまった」。後悔の募る立ち上がりだったが、ここで足を止めてはダメだと自身を奮い立たせた。

 1点を追う後半も押し込まれるシーンが続いたが、後半25分に小林にチャンスはやってくる。左からのクロスが流れ、拾ったMF相馬勇紀(2年=三菱養和SCユース)が右クロス。飛び込んでいたフリーの小林が頭で叩き込んだ。

殊勲のMFは「自分のマークでやられて責任を感じていました。自分が点を取って、チームを勝たせないとと思っていやっていたので、同点ゴールを決めることができて、最低限のことはできたかな」と胸をなでおろした。とはいえ同校初の3連勝を目指すなかでの引き分け。終盤には他にも決定機があったことから「もう1点が取れればよかった」と反省が続いた。

 大学最終学年となった小林がようやくリーグ戦でゴールネットを揺らした。王者・早稲田大の中盤で攻守にタクトを振るうMFは「去年は一年間試合に出られていたのに1点も取れなくて、チームに迷惑をかけてきたので、勝ち点1を取るのに貢献できたのは良かった。今年は4年生になるので、3試合目で取れたのはよかったです。ここから続けていきたい」と強く誓った。

(取材・文 片岡涼)
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