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[プレミアリーグEAST]GK本格転向6年目、U-19代表候補の196cm守護神・波多野は飛躍の1年に

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[4.17 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 流通経済大柏高 1-2 FC東京U-18 流通経済大柏高G]

 11日から13日まで大阪府内で行われたU-19日本代表候補合宿に初招集された196cmGK波多野豪(3年)がFC東京U-18の今季初勝利に貢献した。立ち上がりにPKで先制点を許し、その後判断の部分でわずかなミスもあったが、長身を活かしたセービングで流通経済大柏高のロングボールとクロスをシャットアウト。後半アディショナルタイムには枠を捉えた相手のミドルシュートも冷静にはじき出して1点リードを守りぬいた。

「蹴ってくるのは分かっていましたし、練習通りに弾いたり、キャッチングできたりしていた。(終盤は攻めこまれたが)『攻められているときこそ、冷静に』というのが今年のボクの目標。去年は慌てて、慌ててというのが多かったので今年はなくしていきたい」。本人も認めていたように落ち着いて守る面などまだ完璧なパフォーマンスではなかったが、それでも勝負どころで見せた安定感はチームにとって非常に大きかった。

 13年にU-16日本代表フランス遠征メンバーに選出された経験を持つが、昨年、一昨年と代表に招集されなかった。その中で迎えた久々の代表候補合宿は充実したものに。「自分もワクワクというか、『やってやるぞ』という気持ちで。ここでチャンス逃したらもうないと気合入っていた。(実際に)得るものがたくさんあってとても充実した合宿でした。ポジションの取り方だったりポゼッション、セービング。また廣末陸とか小島亨介クンとか大迫(敬介)とか自分にないものを持っていたので刺激になりました。きょうは代表で学んだことをしっかり意識してやれた部分があったので、次のアルディージャ戦も力を発揮できたらと思います」

 高校入学時に192cmあった身長はさらに伸びて現在196cm。小学生時代はFWでGKはスクールでやる程度だったというが、「フィールドじゃFC東京じゃ生き残っていけないなと思って。自分からGKのセレクション受けて」中学進学時にGKへ転向した。そしてFC東京U-15むさしで経験を積み、FC東京U-18へ進んだ波多野は昨年、今年とFC東京のトップチームで2種登録される期待のGKとなっている。

 元FWのGKはクロスボールの対応やセービング、ビルドアップを得意としているが、「この1年、セービングやクロスへの距離感、対応も成長したと思いますし、周りも見れるようになりました」。経験は浅いが着実に進化を遂げている注目GKは今季Jでプレーすることも狙っている。「先輩だから抜いちゃいけないというのはない。ライバルだと思っていますし、2種登録されているからにはJ1のチャンスもある」。まず、味方から信頼されるGKになること、そしてトップチーム、日本代表、世界での活躍と将来への野心も口にする大器が2016年を飛躍の1年とする。

(取材・文 吉田太郎)
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