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[MOM1764]柏U-18FW中村駿太(2年)_U-17世代のエースFWがU-19代表守護神から意地の2発!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.24 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 柏U-18 3-0 青森山田高 柏]

 強豪・青森山田高相手に2発。柏レイソルU-18は2年生のエースストライカー、FW中村駿太がチームを勝利へと導いた。「結果も3-0ですし、自分も2点取れて最低限の仕事はできたと思います」と喜んだが、この試合で2ゴールを生み出したのはストライカーとしての意地と、進化した個の力によるものが大きい。

 ユース年代を代表するGKから2得点をもぎ取った。前半31分、中村は中盤で相手のバックパスを狙ってインターセプトすると、DFの股間を通すドリブルで一気に前進。敵陣PAまでひとりで持ち上がり、GKのタイミングを外してトゥーキックでシュートを放ったが、青森山田のU-19日本代表GK廣末陸(3年)に読まれてキャッチされてしまう。さらに39分には中央から左へ流れながら左足で狙った一撃がDFに当たってコースが変わったものの、これも驚異的な反応を見せた廣末にかき出されてしまう。

 だが、「DF当たってコース変わったのに触られたところでスイッチ入って、絶対に決めてやろうと」と中村。ストライカーとしての意地、火の着いた闘志は直後にゴールという形で結実する。右CKからこぼれ球がニアサイドに来ると予想していた中村の前にシュートのこぼれ球。これを中村が「(GKの)上手く股が空いたので叩きつける感じで」左足を振りぬいて先制点を決めた。中村も「素晴らしいGK」と口にする廣末からのゴール。満面の笑顔で逆サイドのベンチ前まで走り寄った背番号9は仲間たちとともに喜びを爆発させた。

 後半は2-0となった後に青森山田に攻め込まれる時間帯に。この日は1トップに位置する中村へのパスはインターセプトを狙われて、カットされるシーンが多かった。特に後半は押し込まれる時間帯が続き、また中村は相手DFの徹底したマークの前に思うようなプレーができない苛立ちもあったはずだ。だが「気持ちだけは逃げないようにしていた。消極的にならずに『何回でも来い』っていうくらいの気持でプレーしていた」という中村はボールが入るとひとりで相手DFを引っ張って前進。連続の切り返しでDFを振り切って突破し、チャンスに繋げるシーンもあった。

 そして後半45分、難しいボールを足先でコントロールして収めて繋ぐと、ゴール前へダッシュ。そしてMF朝倉涼介(2年)のラストパスを左足で撃ちぬくと、これが再び名手・廣末を破ってダメ押しのゴールとなった。相手が執拗なチェックに来る中でも「南米の選手とか腕使ったり、足でブロックしたりするのが上手い。アグエロとかスアレスとか、腕の使い方を凄く見ている」という中村は意識している部分を活用してキープ、突破に繋げ、前節の鹿島ユース戦に続き、2試合連続の2ゴールを叩きだした。

 永井俊太監督も指摘するように、個で持ち込むだけではなく、周りの選手を使う部分との使い分けや守備の部分でもよりレベルアップが必要。それでも指揮官は「第1節、第2節よりも全然良くなっている」と目を細める。小学生時代に全日本少年サッカー大会、中学生時代には日本クラブユース選手権(U-15)大会でいずれも得点王に輝いている“小さなロナウド”。スーパーサブだった昨年から進化を示しているストライカーは今年の目標について「まずはチームが勝つことで自分は10点をまず達成して、そこから次は15点というふうに。簡単なものでもないと思うので近い目標を一つひとつ叶えていってチームの目標も叶えていきたい。(U-19日本代表にも)入りたいですね、その気持ちは常に持っています。そこに絡んでいくことは年齢じゃないと思うので。結果を出し続ける」。U-17日本代表のエースストライカーの役割も担う注目FWが、ゴールを量産して柏にひとつでも多くの白星をもたらす。

[写真]後半45分、柏U-18FW中村駿太が左足でこの日2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)
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