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[MOM380]筑波大DF高柳昂平(4年)_「腐ったら終わり…」 ベンチスタートの主将が意地の同点弾!

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.23 関東大学リーグ1部第4節 明治大2-2筑波大 青木町]

 出場機会に飢えた主将が意地の一撃を決めた。筑波大の主将、DF高柳昂平(4年=名東高)は1-2で迎えた明治大戦の後半40分に投入されると、出場から約5分後に右CKに合わせてヘディングシュートを決めた。この得点で追いついた筑波大は土壇場で引き分けに持ち込み、勝ち点1を手に入れた。

 1部復帰を果たした今季の筑波大で主将を務める高柳。昨季はFWとしてプレーしていたが、今季はSH、SBにコンバート。新たなポジションに悩みながらチャレンジするなか、開幕約1週間前にはかねてから痛みやすかった足首痛が再発。負の要素が絡み合い、開幕戦・法政大戦はメンバー外だった。

 それでも「出たときにやるべきことをやるしかない。今は与えられた仕事をやるだけ」と自らに言い聞かせたキャプテンは、ベンチ外となってもIDを首から提げては必死にボトルを運ぶなど、“裏方”に徹していた。

「情けないなという感じもありましたけど、そこで落ち込んだり腐ったりしたら終わりだなと。虎視眈々と出場機会を狙いながら、チームのためにできることを最大限やろうと思っていました」

 第2節・慶應義塾大戦は後半34分から出場したものの、第3節の専修大戦は再びメンバー外。主将としての責任を感じるときもあったようだが、「どうなってもいいやと前向きに、やるべきことをやろうと日々やっていました」と練習に取り組んだ。そして、この日の明治大戦で2戦ぶりにベンチ入りすると、1-2の後半40分、持ち前の高さに期待を寄せられて、出番はやってきた。

 そして出場から約5分後に仕事を果たす。終了間際の後半45分、MF西澤健太(2年=清水ユース)の蹴り入れた右CK。「高柳くんがいて、高さがあったので自分が上手く合わせるだけでした。プロ相手でもあの人は競り勝てるので信頼して、高柳くんを的に完全に狙って蹴りました」(西澤)というボールからフリーの高柳がヘディングシュートを叩き込んだ。

「ボールが来た瞬間に叩くだけで、ボールが良かった」と殊勲のDFは謙遜したが芯を捉えて叩きつける豪快な一撃。「今まで仕事ができていなかった分、少しはできたかなと。ホッとしました」とベンチスタートだった主将は安堵の表情を浮かべた。

 慣れないポジションへのコンバートに戸惑いをみせる高柳主将を見守っていた小井土正亮監督は「元々FWですがSB、SHにトライしているところ。もどかしい気持ちや主将なのにという責任も含めて、自分に苛立つところはあったと思う」と思いやり、「専修大戦はメンバー外でしたけど、今週は何か吹っ切れたのか、気持ちを見せてやってくれていた。それだけ気持ちがあるならとメンバーに入れました」と起用の理由を明かした。

 チームの主力やエースというキャプテン像とは違うものの、高柳はひたむきな背中を仲間に示し、チームを牽引している。指揮官はそんな姿勢を高く評価。「総じて4年生で試合に出ている人は少ない。そんななかで彼はもがいて、頑張ってくれているので、それがチームの一番の下支えになってくれているのは間違いない。朴訥としていていいキャプテンです」と微笑む。

 主将としての責任を背に、もがき続けるとまずは1点を決めた。「まだ何も達成していないので」と話した高柳は「最初から試合に出て、チームに貢献できるように」と誓う。このゴールで満足することなく、筑波大のため、自分自身のために努力を重ねていく。

(取材・文 片岡涼)
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