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五輪予選の敗因は「ボタンの掛け違い」 なでしこ高倉新監督、選手選考は「年齢で区切らない」

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 日本サッカー協会は27日、日本女子代表(なでしこジャパン)の新監督にU-20日本女子代表の高倉麻子監督が就任すると発表した。6月2日(日本時間3日)にアウェーでアメリカと対戦する国際親善試合が初陣となるが、今年11月にはU-20女子W杯がパプアニューギニアで開幕するため、当面は兼任での指揮となる。

 佐々木則夫前監督の下、11年の女子W杯ドイツ大会で初優勝を飾ったなでしこジャパンは、12年のロンドン五輪で史上初のメダルとなる銀メダルを獲得。昨年の女子W杯カナダ大会でも準優勝したが、今年3月に行われたリオデジャネイロ五輪アジア最終予選では6チーム中、3位に終わり、リオ五輪への出場権を逃した。

 高倉新監督はリオ五輪予選敗退について「非常に悔しく、残念だが、佐々木監督をはじめ、選手たちが積み上げてきた数々の栄光が消えるものではない」と指摘。そのうえで「オーストラリアとの初戦でなかなか流れが来なくて、いい時間帯に得点を取れず、そこで負けてしまったことで、チームとして短期決戦の中で修正しながら次の試合、次の試合に臨んでいくことができなかったのかなと思う。“ボタンの掛け違い”という言葉があるが、最初につまずいたことがチームに大きく影響して、切符を取ることができなかったのかなと思っている」と分析した。

 世代交代が急務との声も出る中、高倉新監督には選手選考に関する質問も飛んだ。「“若返り”ということは言われると思うが、日本代表はそのときに一番良いパフォーマンスをしている選手を選考することが基準になると思う」。年齢ではなく、あくまでパフォーマンスを判断基準にしていくと明言した。

「ベテランはベテランの経験値から来るプレーのアドバンテージ、若手は試合を積むことで伸びていく伸びしろを考えて、うまく融合させていきたい。年齢で区切ることはない。パフォーマンスを注意深く見て、競争してもらいながら代表をつくっていきたい」

 これまで年代別の女子代表を率い、13年のAFC U-16女子選手権、14年のU-17女子W杯、そして昨夏のAFC U-19女子選手権と、すべての国際大会で優勝してきた。「素晴らしい若手がたくさんいる」という高倉新監督の言葉には説得力がある。「これまで素晴らしい成績を残してきた選手たちと若手を融合して、新しく強いなでしこジャパンをつくっていきたい」。その初陣となる相手は、五輪3連覇中で、昨年の女子W杯も制した女王アメリカだ。「ランキング1位のアメリカと対戦できるというのはこれ以上ない相手。今持っている力を100%発揮して、ぶつかってみて、何ができるか、何が足りないか。日本の力を見極めていきたい」と、その意義を語った。

(取材・文 西山紘平)

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