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Jデビュー飾った18歳、浦和MF伊藤「緊張したけど楽しかった」

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[4.29 J1第1ステージ第9節 浦和 4-1 名古屋 埼玉]

 後半28分、背番号10を背負うMF柏木陽介に代わり、ピッチに送り込まれる。名前がアナウンスされた瞬間、スタジアムは大きな歓声に包まれた。1998年2月6日生まれの18歳、MF伊藤涼太郎はプロとしての第1歩を踏み出した。

 今季、作陽高から浦和に加入した伊藤は開幕戦となった柏戦でベンチ入り。その後ベンチからは外れたものの、前節川崎F戦で再びベンチ入りを果たすと、2試合連続でベンチ入りした名古屋戦でプロデビューの時を迎える。「そんなに緊張するタイプではないと思っていましたが、プロのピッチは特別なもの」と緊張があったことを明かしたが、堂々としたプレーを見せる。

 ボランチの位置に入ると、投入直後には左アウトサイドの関根に鋭いボールを届けようと試みる。「ボランチではああいう展開が求められている。ボールを受けたら近いところでなく、遠いところを見ろと言われていました」。ボールはタッチラインを割ってしまったが、視野の広さを生かしてチャレンジの姿勢をしっかりと打ち出す。また、「点を取りたい気持ちが強かったので、前に行こうと思った」と中盤の底から果敢に飛び出して攻撃に絡もうと奮闘。後半38分にMF青木拓矢がボランチに投入されると、シャドーの位置に移ってより前への姿勢を強めた。

 プロとして初めて立ったピッチ。この日は4万人を超える観客が集まっていたこともあり、「ワンプレーワンプレーに責任感があった。最後まで緊張していたし、試合が終わってもちょっと足が震えていました」と苦笑しながらも、「緊張したけど楽しかった。デビューできるのは当たり前ではないので、使ってくれた(ペトロヴィッチ)監督に感謝したい」とプロデビューを感慨深げに振り返った。

 自身のプレーには「思うようにいかなかった」と反省を口にした。しかし、無限の可能性を秘めた18歳の新たな物語は始まったばかりだ。「今日、試合に出たことを無駄にしたくない。次の試合に向けて良い準備をしていきます」と胸を張って答えたように、次回与えられるチャンスに向けて、日々成長を遂げていこうとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
●[J1]第1ステージ第9節1日目 スコア速報

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