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[プレミアリーグWEST]「今年のガンバはアカンって言われてしまう」状況からG大阪ユースが4点奪い返して意地の大逆転勝利!

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[4.30 高円宮杯プレミアリーグWEST第4節 C大阪U-18 3-4 G大阪ユース 舞洲]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2016プレミアリーグWESTは30日に第4節1日目を行い、セレッソ大阪U-18ガンバ大阪ユースが対戦。一時はC大阪に3点差をつけられながらも、後半に奪った4ゴールによって、G大阪が4-3で逆転勝利をおさめた。

 互いのプライドがかかった“大阪ダービー”の火ぶたを切ったのは、C大阪だった。「前半から前から積極的にボールを奪いに行けていたと思う」とGK井上聖也が振り返ったように、FW林部晃己山田寛人を中心としたフォアチェックが機能。奪ってからはサイド攻撃に転じ、中への折り返しからG大阪のゴールに襲い掛かった。最初のチャンスは前半13分。右からのクロスを山田がドンピシャのヘッドで合わせたが、GK渡辺健太の好セーブに阻まれてしまう。21分にも再びチャンスが訪れ、自陣から素早く相手エリアに攻めこむと、PA右でボールを受けた山田のパスを林部が冷静に決めて試合を動かした。直後の22分にはエリア中央の左からU-19日本代表DF舩木翔がロングシュートをG大阪にお見舞い。「敵ながら凄いシュート」とライバルのMF食野亮太郎が舌を巻くほどの一撃は、ドライブ気味の軌道を描き、ゴール右隅に突き刺さった。

 幸先の良いスタートを切ったC大阪に対し、G大阪は相手を思うように崩せず、前半に打ったシュートは0本。反撃の糸口すらも見えないまま前半を終えたが、後半3分にはGKが弾いたクロスを食野がボレーで合わせてファーストシュートを記録する。GKの脇を射抜いたこのシュートはDF小林洵のハンドを誘発。決定機阻止と審判に判定されて一発退場となった。1人有利な状況でのPK獲得となったが、食野のキックは井上が足でストップし、得点には至らず。食野は、「前半に2点獲られた分は取り返せると思っていたけど、PKを外した瞬間は『もうアカン。死のうかな』って思うくらい凹んだ」と振り返る。

 逆に8分にはロングボールから山田に3点目を決められてしまい、悪い状況は断ち切れない。だが、この3失点目を機に「C大阪だけにはこんな無様な負け方はしたくない。今年のガンバはアカンって言われてしまう」(食野)と選手たちのハートに火がついた。後半に入ってから、ビハインドを取り戻そうと焦りがちだったボール回しを修正し、ゆったりと左右を揺さぶる攻撃に切り替えたが、長いボールとサイドチェンジを多用し、C大阪の守備に圧力をかける戦法へスイッチ。その切り替えが奏功し、18分には左を上がったDF山下令雄のパスから「2節と3節目で決定機を決められず、チームに迷惑をかけてしまったので、今日こそはと思っていた」というFW佐藤倭が決めて、まず1点を返した。このゴールを皮切りに、G大阪は「長いボールに対して、後ろの準備ができなかった。人数が一人少ないので、後ろのスライドが遅れてしまったし、前線も後ろを休ませるためにボールを遅らせることが出来ずにドンドンやられてしまった」(村田一弘監督)というC大阪を畳みかける。

 30分には自陣左の山下令が再び前線にボールを配球。ゴール前で待ち受けた食野が胸トラップから左に流れながらの一撃を叩き込むと、40分にもMF小林和矢が自陣から送ったロングボールをFW松本歩夢が相手と競りながらも、ゴール左隅に流し込み、3-3の同点に追いついた。G大阪の勢いはアディショナルタイムに入ってからも衰えず、47分には佐藤のパスからDF臼井貫太が決勝ゴールを決めてついに試合をひっくり返した。3点ビハインドから4点を奪い返しての勝利は宮本恒靖監督の現役時代にもなかったというほど見事なモノ。食野が「今日の勝利はチームとしての強さが出たと思うし、ダービーでの勝利は自信にも繋がる。今日の勝利は大きい」と今後の戦いを大きく左右する一勝だったのは間違いない。

(取材・文 森田将義)
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