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[MOM1767]西武台MF今井祐太朗(3年)_午前7時前からの自主練でシュート向上、ゴール連発中の攻撃的ボランチ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.5 埼玉県1部リーグ第3節 西武文理高 0-6 西武台高 西武台高第2G]

 昨年は中盤の底の位置でバランスを取り、守備面でチームを支えることが主な役割だった。だが、元々SHなどを主戦場としてきた西武台高MF今井祐太朗主将(3年)は今年、攻撃的なボランチとして高い攻撃性能を発揮している。

 この日は試合開始直後にいきなり先制点を挙げた。PAで近くでパスワークに絡むと、一旦右サイドのFW向山哲平(3年)へパス。その向山がDFを引きつけて出した折り返しを右足でゴールへ叩き込んだ。この日は中央、右サイドでボールに良く絡み、攻撃をコントロール。サイドにボールが入った時はサポートし、また前線を追い越してスペースへ飛び出して攻撃を活性化した。そして攻撃の組み立てでは1タッチでサイドへボールを叩いたりするなど攻撃のテンポを変化。1年時にSBを経験するなど自信を持っている守備面でもチームの守りを引き締めつつ、右サイドから決定的なクロスを上げるなど、チームの中心として快勝に貢献した。

 昨年も主軸を担ってきたが、今年は特に攻撃面の向上に取り組んできた。「去年は結構守備的な意識でやっていた。今年は攻守に渡って関わる意識を持って、特にミドルシュートを日頃から意識している。試合中でも狙う意識を持っていますし、それがきょうの点にも繋がったと思います」と今井。東京都練馬区の自宅を午前6時前に出発し、埼玉県新座市の西武台高グラウンドで7時前から自主練習を行ってきた。「ボールを入れるカゴを味方の壁に見立てて跳ね返ったボールをトラップしてミドルシュートする練習をいつもしてきた」という努力の成果は関東大会予選での4ゴールなど結果に繋がって来ている。

 守屋保監督も「攻守に渡って貢献してくれる。視野も広がってきている」と信頼を置く大黒柱。まだまだ守備時の距離感やヘディングの競り合い、攻守の切り替えの部分などチームに課題があると感じている。「自分が中心というよりはみんなと一緒になってやっていきたい。その中で自分は去年から出ているので、引っ張っていって(タイトルを)取りにいく。個人としては、攻撃も守備もできて、なおかつ点も取れてチームに貢献できる選手になりたいです」と今井。イニエスタが憧れの選手でファーストタッチの上手さや攻撃参加のタイミングなど「見習っていきたい」というMFが、守備面だけではなく、攻撃面でもより結果を残して、チームを引っ張る存在としてタイトル獲得に貢献する。


(取材・文 吉田太郎)

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