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バルダーノ氏:「メッシは道で、C・ロナウドはジムで育った選手」

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 元レアル・マドリー幹部のホルヘ・バルダーノ氏は、現代サッカーにおける発展と世界のトップを走る選手や監督について独自の見解を示している。

 バルダーノ氏は現役時代に1984年から87年までマドリーでプレーした後、94年に監督として復帰を果たして2年間指揮を執った。2009年には、旧友であるフロレンティーノ・ペレス会長からの要請でマドリーのゼネラルディレクターに就任した。

 バルダーノ氏はスペインの現状をそれほど悪くは見ていない。スペイン『EFE通信』がコメントを伝えた。

「先日ペジェグリーニは世界一のリーグはプレミアリーグだと言っていた。だが、世界一質の高いフットボールをしているのはリーガエスパニョーラだ。あの言葉には外交上の目的もあったのかもしれない。フットボールにおいてはリーガが一番だ。それ以外にマーケティング、完璧なスタジアム、素晴らしい組織など様々な要素がある。だが、それはフットボールとは関係のない問題だ」

「スペインで、我々は昨日の失敗を振り返ったりしない。そうではなく、10年前の革命的な出来事を振り返る。その形作られた革命には名前が付けられている。チキ・タカだ。そこで、ボールが主役となる新しい世界が生まれた。技術面で、スペインのフットボールは他者を大きく引き離している。戦術ではなく、フィジカルではなく、メンタルではなく、ボールを扱えるものが支配者となるからだ」

 バルダーノ氏は、スペインの2強、マドリーとバルセロナのエースを引き合いに出して近年の変化を語っている。

「スペインで近年大きく発展したのは技術的な部分だ。以前なら問題を抱えたであろう小柄な選手たちにチャンスが与えられた。これはフットボールに唯一必要なのは身体のサイズではなく、才能のサイズであるという兆候だ。色眼鏡で見れば、我々が求めていたのはリオネル・メッシよりクリスティアーノ・ロナウドのような選手である。ロナウドは21世紀の選手だと言える」

「メッシは道(ストリートサッカー)で育ったような選手で、ロナウドはジムで育ったような選手だ。もっと言えば、我々が求めていたのは機械的に、ロボットのように動く選手なんだよ。同じ色のユニフォームの選手にパスを出せれば、それでいいようなね。それは偉大な選手であれ、少年であれ、関係ないよ」

 またバルダーノ氏は、現代サッカーの傾向を示す存在としてアトレティコ・マドリーディエゴ・シメオネ監督、バイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督の名前を挙げた。

「私は長年2人の監督の指導に引き付けられてきた。ビラルディスモ(ビラルド主義)とメノッティスモ(メノッティ主義)だ。そして、我々は現在バージョン3を目にしている。グアルディオラとシメオネ。2人とも敬意を示されるべき監督だが、今やシメオネ以上にグアルディオラを称賛する者はいまい」

「彼らへの称賛は対決に威厳を与えた。だが、今後も彼らのスタイルに関する議論は続く。それは決して死ぬことがない。フットボールでは古くからあるものだ。今後50年、監督の名前こそ変わるかもしれないが、同じ論点が議論され続けるだろう」

 今年のチャンピオンズリーグ決勝は、マドリー対アトレティコというスペイン勢の対決だ。

「リスボンの決勝は語るべきところを多く残している。アトレティコ・マドリーはリベンジの過程を歩んでいる。彼らはバイエルンにリベンジを果たした。次はレアル・マドリー相手にリベンジすることになるだろう。だが、その歴史はあまりにも新しい。シメオネとグアルディオラの戦いに注目が集まったように、次はそちらに注目が集まるだろう」

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