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ラストチャンスの“宣告”受けて5戦ぶり先発、同点アシストの東京V安在「生き延びました」

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[5.22 J2第14節 東京V2-1清水 味スタ]

 “ラストチャンス”をものにした。5戦ぶりの先発となった東京ヴェルディのDF安在和樹は左SBに入ると、1-1の同点弾をアシストする活躍をみせた。昨年はU-22日本代表にも選出されていたDF。今季は不調が続いていたがようやく結果を出した。

 4月23日の水戸戦(0-3)を最後に直近4試合は出番のない状況だった。出場機会が遠ざかる日々は「しんどかったです」と言う。チームが9戦勝ちなしのなかで自身は力になることができず。「単純に去年との比較で自分の仕事量が足りてない」という自覚はあったものの「出られない歯痒さや、チームが勝てずに色々と思うところはありました」と振り返る。

 それでも、この日の清水戦で5戦ぶりに先発起用。今週の練習では冨樫剛一監督やスタッフ陣から「清水戦がラストチャンスだぞ」と発破をかけられ、「今日(清水戦)だめだったら、今年は終わりだ」とも言われていた。厳しい“宣告”にまずは「まいったなぁ……」と思ったという安在だが、「それだけ期待してもらっているのだから応えよう」と前向きに捉え、“ラストチャンス”の清水戦に臨んだ。

 そして0-1で迎えた前半44分に仕事を果たす。MF中後雅喜の大きなサイドチェンジに合わせて左サイド深い位置へ飛び込み、対峙した相手選手と空中でぶつかりながらも、即座に体勢を整える。倒れこんだ相手を尻目に冷静に落ちたボールを中へ折り返した。これをファーサイドのFW高木大輔が頭で決め、1-1に追いつく。勢いに乗った東京Vはその後に逆転。10戦ぶりの白星を手に入れた。

 安在は「上手く相手と身体を入れ違えて、GKが出てきたのでシュートを打とうと思ったけれど、確実な方を選びました」とアシストシーンを振り返る。ゴールを決めた高木大は「あそこから僕らのペースになった」と安在の身体を張ったプレーに感謝した。

 10戦ぶりの白星獲得に貢献し、“ラストチャンス”を活かした形になった。試合後に安在は「とりあえずセーフですね」とホッとした表情を浮かべ、「結果が出て、チームも勝ったから。とりあえずは生き延びました」と冗談めかして話していた。ここから再スタート。昨季東京Vの躍進を支えたSBが戻ってきた。

(取材・文 片岡涼)
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