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[総体]「今年こそ自分たちも」全国へ!東山が立命館破り、4年ぶりVまであと2勝:京都

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[5.22 総体京都府予選準々決勝 東山高 4-0 立命館高 東山高G]

 平成28年度全国高校総体「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(広島)京都府予選は22日に準々決勝を行い、東山高とcが対戦。開始8分に奪ったFW{{池田昌生の先制点を皮切りに4得点を奪った東山が4-0で勝利をおさめた。29日に行われる準決勝では洛北高と対戦する。

 12年大会以来、4年ぶりとなる全国出場を目指す東山が開始とともに見せ場を作った。まずは前半8分、DF吉井至のロングスローからFW中村一貴が右サイドを抜け出し、ゴール前にクロスを展開。走り込んだ池田が右足で合わせたシュートがゴールネットに吸い込まれた。「前の試合で点が獲れなかったので、今日こそはと思っていた。前からしっかりプレスに行ったり守備から試合に入りながら、チャンスでは相手の背後を狙っていた。ゴールはイメージ通りのシュート」。池田がそう振り返った先制点によって、弾みをつけた東山「攻撃は凄く良かった。中央からサイドに振って、サイドでは枚数をかけて攻め込む形が機能していた」(福重良一監督)と以降もサイドから好機を演出。21分のチャンスは左から。MF松井啓悟が中盤で身体を張って相手の突破を阻止すると、こぼれ球を拾った池田が左に展開。中村がゴール前に素早いパスを送り、反対サイドのMF松野優斗が飛び込んだが、わずかに合わない。

 2点目が奪えないながらも好機を作った攻撃に対し、守備は「一泡吹かせてやろうという相手に対して、構えてしまって、相手ボールに対して身体を寄せることができなかった」(福重監督)と中盤でボールが奪えず、自陣までボールを持ち込まれる場面も。25分にはCKを立命館に与えると、一度はクリアしたボールを再びPAに蹴り込まれ、MF石井大輝にシュートを打たれるなど危ない場面も見られた。

 1点リードで迎えた後半は、立命館が押し込む展開に。6分には左サイド、フリーでパスを受けたFW池田陸が素早く前方にパスを通すと、走り込んだFW嶋岡滉真がPA左からシュート。GKの右隅を抜けてゴールネットを揺らしたが、オフサイド判定を受けて得点は認められず。続く7分にも右CKからDF浮田裕貴がヘディングシュートを放ったが、枠を捕えることができない。

 耐える時間が続いた東山だったが、16分に相手エリア中央でパスを受けた池田がMF大雄一生とのパス交換でPA左に侵入。GKとの1対1を冷静に流し込んで嫌な流れを断ち切ると、ここからは「小さいけど、スタメンとは違った動きができる。ここ最近、結果を残してくれているので安心してピッチに出せる選手」と指揮官が信頼を寄せるMF垣端悠人ら交代で入った選手が躍動する。28分には中村、池田と左を繋いだボールをゴール前に展開。反応した垣端のシュートは相手DFに阻まれたが、MF植田聡太が逃さずに押し込んだ。30分にも中村のショートが右ポストに直撃し、PA中央にこぼれたところを植田が押し込んで4点目。終わってみれば、4-0という大差で東山が準決勝行きのチケットと掴んだ。

 東山は一昨年、絶対的な存在だったFW鎌田大地(鳥栖)がエースに君臨。攻撃が彼頼みになり、彼の活躍に結果が左右されてしまった。昨年もMF守屋諒、FW大久保優と個の力に秀でた選手はいたが、最後までまとまり切れず選手権予選の準決勝で涙を飲んだ。過去2年とは違い、今年は独りで苦しい状況を打破できる選手はいない。だからこそ、特定の選手に頼るのではなく、グループでどこからでも崩せるチームを目指している。

 そのために意識しているのはチームワーク。「練習のウォーミングアップでもこっちが言わなくても、自分たちで良い声を出して盛り上げたり、今年の子らはノリが良い」(福重監督)とこれまで以上に声出しを意識することに加えて、オフの日に選手全員でバーベキューを行うなど企画を増やし、団結力の向上に取り組んでいる。「見えない力があると信じている」と大雄が口にするように、仲間の想いを胸に3年ぶりの全国出場を狙っている。「ずっと僕たちは橘とか久御山に負けてきている。今年こそは自分たちも、全国に行きたいという気持ちが強い」(植田)、「残り2試合も勝つことしか考えていない。また、チーム一丸となってやっていきます」(大雄)と口にするように、チーム全員で全国行きを手にするつもりだ。

[写真]先制点を奪ったFW池田(左)を東山イレブンが祝福

(取材・文 森田将義)
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