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[総体]全国2冠の昨年から個の成長、力強さ示す「ヒガシのリーダー」、CB児玉慎太郎が無失点V貢献

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[6.5 総体福岡県予選決勝 東福岡高 1-0 九州国際大付高 春日公園球技場]

 九州国際大付高のパワフルな攻撃は福岡県内、九州のライバルたちが警戒する強力な武器だが、東福岡高は後半にシュートを1本も打たせずに完封勝利。その中心にいたのがCB児玉慎太郎主将(3年)だった。

 CB小野楓雅(3年)らとともに最終ラインの中央で奮戦。エアバトルで屈することなく跳ね返し続け、明らかに東福岡の守備を“壊し”に来ていた相手の攻撃を力強い守りで退けた。昨年の全国2冠に貢献している有能なCBは豊富な経験も活かして相手の攻撃を勢いづかせない。攻撃にアクセントを加えるオーバーラップや一発のフィードで決定機を選出するなど攻撃面でも存在感を示したが、経験に加えて逞しさの増した守りが特に印象的だった。

「キャプテンをやらせてもらっている。立場上、去年みたいなプレーだけじゃなくて、一人で相手止めたり、局面を打開できる力をつけていかないといけない。身長がないから競り勝てないとは思われたくない。頭だけだと次のステージで通用しないので、自分のクレバーさに加えてもうひとつ武器をつけたい」と児玉。先輩CB福地聡太(現同志社大)に支えてもらっていた昨年から、今年はチームのリーダーとして周りを支える役割。自覚を持って自主練にも取り組み、ピッチで成長を示している。

 今大会は無失点V。それでも森重潤也監督はチームを統率する部分の課題を指摘する。「チームをコントロールする力がまだ、ない。(決勝を見てもチームが)バタバタしている感じがある。まだまだやってもらわないといけない」とより成長を期待する。それだけに名門の主将はより高いレベルを求めて日々の練習に取り組む。

 昨年度の全国高校選手権では特に決勝などで好守を見せていたが、大会優秀選手からは漏れた。「今年はもちろん入りたいし、審査員の方たちに『入れとけば良かった』と思われる一年にしたいです」と力を込める。3連覇のかかる全国総体へ向けては「相手が注目選手だろうと、自分がマッチアップするFWを抑えて、県予選みたいに無失点試合を増やしていきたい」。チームを勝利へ導き、自身の存在価値も高める夏にする。

(取材・文 吉田太郎)
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