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“Wエース”不在の中、勝利に導けず…清武「残念な気持ち」

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[6.7 キリン杯決勝 日本1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ 吹田S]

 FW本田圭佑(ミラン)とMF香川真司(ドルトムント)の“Wエース”を負傷で欠く事態となり、攻撃の軸は間違いなくMF清武弘嗣(ハノーファー)となった。

 トップ下の位置に入った清武は的確なポジショニングでボールを呼び込むと、シンプルにダイレクトではたくなど攻撃にリズムをもたらす。前半15分の自身の決定機はクロスバーに阻まれたものの、同28分には左サイドから切れ込んだFW宇佐美貴史のラストパスを左足で合わせてネットを揺らしてチームに先制点をもたらした。

 得点直後の前半29分に同点に追い付かれたものの、「宇佐美のサイドから攻撃が作れていて、そこから良い形がたくさんあった」と振り返ったように、前半は相手ゴールに迫る場面を幾度となく創出した。しかし、後半に入るとトーンダウンしてしまい、追加点を奪えずにいると後半21分には逆転ゴールを許してしまう。

「後半は攻撃が単調になってしまった。相手が引いた中でパスコースがたくさんあり過ぎて、自分たちがつなぎ過ぎてしまい、そこでボールを奪われてカウンターをくらう場面が多々あった」

 試合終盤には立て続けに好機を生み出し、清武自身にもシュートチャンスが巡ってきたが、後半アディショナルタイムにこぼれ球に反応して放った右足シュートは大きく枠を外してしまい、「残り5分くらいでチャンスが作れた中で、決め切れなかったのは残念。試合が終わって後悔しても遅い」と声を落とした。

 ブルガリア戦後には「いつまでもアピールというより、自分が引っ張っていかないといけない立ち位置」と語り、本田と香川の不在が濃厚となった後の取材では「誰が抜けたとしても良い試合ができないと意味がない」と力強く話していた。しかし、チームを勝利に導けなかったことに、「負けたので、残念な気持ちです」と唇を噛んだ。

(取材・文 折戸岳彦)

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