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新潟MF端山の誓い…白血病と闘う同期・早川と「一緒に闘っていく」

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[6.18 J1第1ステージ第16節 FC東京 1-1 新潟 味スタ]

 東京Vの下部組織から慶応大を経て、今季アルビレックス新潟に加入したMF端山豪。そして、新潟の下部組織から筑波大を経て、新潟へと戻ってきたDF早川史哉。同期入団の2人は「大学選抜でも一緒にプレーしたし、一緒に頑張っていこうと話していた仲。お互いに刺激し合っていた」(端山)。だからこそ、急性白血病と闘病中の早川のためにも、端山はピッチ上で全力で闘い続けようとしている。

 端山が早川の病状を知ったのは、第15節大宮戦の前日だった。「本当にビックリした。どうして史哉がそういう病気になってしまうのかというふうに考えてしまった」。同期として切磋琢磨してきた大事な仲間。「なぜ、史哉が――」との思いがあったようだが、実際に早川と連絡を取り合うと、前向きな気持ちが芽生えてきた。

「史哉が病気と闘っていくことに対して前向きでいる姿勢を受けて、自分も『何で史哉が病気にならないといけなかったのか』と考えるのではなく、少しでも励ましになるように、自分は与えられた状況、立場で全力でプレーするのが一番大事だと思った」

 今季2度目の先発出場を果たした前節大宮戦ではMF成岡翔の決勝点をアシスト。「お互いに状況は違うけど、一緒に闘って行こうと史哉と話をしていたし、そういう思いがあった」と、ともに闘う早川に白星を届けられたことで試合後には涙を流した。

 そして、FC東京戦でもスターティングメンバーに名を連ね、「ボールを収めて周りの選手が上がってくる時間をつくる。守備では前からプレッシャーを掛けて相手のボール回しを苦しめる」と自らの役割を全うしようと最前線で奮闘。後半34分までピッチに立ち続けたが、チームが1-1の引き分けに終わったこともあり、「最後の精度をもっと高めていきたい」と反省を口にしながらも、「もっとチームに貢献できるんじゃないかという手応えは感じている」とさらなる成長を遂げようとしている。

 早川はクラブを通じて、「もう一度大好きなクラブ、アルビレックス新潟に戻ってこられるように頑張ります!」と前向きなコメントを残している。端山はその思いに応えるように、「史哉がしっかり病気を治してチームに戻ってくるとき、アルビレックス新潟がより強く、より良いチームになって戦っているように、帰って来る場所を作っておきたい」と力強く誓った。

(取材・文 折戸岳彦)
●[J1]第1ステージ第16節 スコア速報

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