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クロアチア連盟、チェコ戦でのトラブル謝罪「犠牲者ではなく、罪を罰すべき」

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フーリガン問題への取り組みを政府とUEFAに呼びかけ

 クロアチアサッカー連盟(HNS)が18日、ユーロ2016のチェコ戦で一部のサポーターが問題を起こしたことを謝罪した。そのうえで、愚行に及んだ者たちはクロアチアの代表ではないと強調し、「被害者ではなく罪を罰するように」UEFAに求めている。

 17日に行われたグループD第2節では、クロアチアが2-1とチェコをリードしていた終盤、スタンドのクロアチアサポーターが発炎筒や爆竹を投げ入れるなどして試合を妨害。主審が一時中断を命じる事態となった。試合はその後再開され、クロアチアがチェコに同点弾を許し、2-2のドローでタイムアップを迎えている。

 試合後、クロアチアMFイバン・ラキティッチは、度重なるサポーターの問題行為により、失格処分となることへの懸念を示した。UEFAは18日に処分を検討していることを認め、20日に発表予定と明かしている。

 HNSは声明で「神聖なるクロアチアとまったく関係がなく、サンテティエンヌでの美しいサッカーの祭典を台無しにしたフーリガングループによって、クロアチアサッカー連盟、クロアチア代表チーム、クロアチア代表選手、クロアチアサッカー、クロアチアのファン、クロアチア国家のすべてが、ユーロの舞台でまたも面目をつぶされた」と怒りを表した。

 HNSは1万人以上の「真のクロアチアのファン」に感謝を表し、「このグループが暴力や発煙筒、差別に断固として『ノー』と言い、不適切なふるまいやチャントで試合を中断しようとしたフーリガンをブーイングしたことは記しておくべき」と、一般のサポーターの善行を強調している。

 そのうえで、「クロアチアファンを代表してはいないが、クロアチアにおける我々全員の責任を表すフーリガンの行為を、サンテティエンヌの観客、テレビの視聴者、チェコ代表チームに謝罪する。改めて、人種差別から暴力まで、スタンドにおける違法行為を強く非難する」と謝罪した。

 一方で、「クロアチアの人たちをがく然とさせる出来事はこれが初めてではない。政府にこの問題に取り組み始める意欲がなく、非効率的で不活発であることが、フーリガンがこういった行為を続けるように促進させてきた。サンテティエンヌの件はクロアチア国家の消極さの結果だ。そして今、我々全員がフーリガングループの人質となった」と、フーリガンへの政府の対応を批判している。

 HNSは問題を起こす者たちを特定し、処分できていない現状について、「その一方で処分されるのはフーリガングループの行為を妨げる手段を持たない者」だと主張。「HNSや各クラブは厳しい罰金を科され、ベストのパフォーマンスを見せた選手たちが罰せられ、99%の素晴らしいクロアチアのファンが代表チームの試合を観戦できなくなるという罰を与えられる」と憤慨した。

 そして、クロアチア政府とUEFAに対し、「我々のフーリガンとの闘いに加わるように」要求。「犠牲者ではなく、罪を犯す者たちを罰することを始めよう」と呼び掛けている。


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