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[総体]市立船橋がケタ違いの7発完勝で全国進出、FW村上は前半で3得点:千葉

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[6.19 総体千葉県予選準決勝 市立船橋高 7-0 翔凛高 柏の葉]

 圧倒という言葉以外に表現が見つからない。平成28年度全国高校総体「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(広島)への出場権を懸けた千葉県予選は19日に柏の葉総合競技場で準決勝を行い、第1試合は市立船橋高が7-0で翔凛高(昨年、千葉国際高から改称)を下した。千葉県は上位2校が全国大会に出場できる。前回大会で全国準優勝だった市立船橋が、昨年の忘れ物を取りに、全国の舞台へ進む。

 試合は、打倒市立船橋に意気込む翔凛を序盤から手玉に取るような展開となった。積極的にプレッシャーをかけようとする翔凛に対し、市立船橋は両CBが開いてSBが高い位置へ張り出すシステムで攻撃をビルドアップ。最終ラインと中盤のボールの出し入れでおびき出すと、主将の杉岡大暉が左足で対角にロングフィード。右DF真瀬拓海がハイサイドでの1対1を豪快に突破するなど、相手の背後を軽々と破ってクロスからゴールを量産した。

 まず、14分に右クロスからこぼれ球を大型FW村上弘有がボレーでゴールに突き刺して先制。22分には真瀬から中央に横パスを出し、攻撃参加した2年生の左DF桧山悠也がダイレクトミドルを豪快にたたき込んで2点目。31分、左CKのこぼれ球を村上が押し込んで3点目。37分、左サイドを破った桧山がニアサイドを狙ったシュートはポストに弾かれたが、村上が押し込んで4点目。村上は前半だけでハットトリックを達成した。

 身長186cmの長身で、スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチに憧れを抱く村上だが、高円宮杯U-18プレミアリーグでは無得点だっただけに「先制点はトラップをしたら相手に寄せられると思ったので、ダイレクトで打った。総体の予選が始まるまで無得点で、そろそろ決めないといけないと思っていた。アタッキングサードの攻撃の質を重視して練習をして来たので、得点が取れて良かった」と喜んだ。市立船橋は、前半終了間際に村上のラストパスから右MF西羽拓がゴール。40分で5得点、打たれたシュートは1本のみという驚異的な内容でハーフタイムを迎えた。

 翔凛は、1年生のブラジル人留学生DFジョナタン・ジョゼが市立船橋のFW村上に食らいつき、ボールを奪ったときには中盤でブラジル人留学生ペレイラ・ボルゲス・ジョア・パウロと渡邉亮太のパス交換から両サイドMFを務める双子の浦田海仁、浦田航佑と攻撃を展開しようとしたが、中盤から前へ進む際に相手プレッシャーをかいくぐれずにミスが続発。なかなかゴールに近付くことができなかった。白根英隆監督も「夏は真っ向勝負をしようと臨んだけど、本当に強かった」と攻守とも強力な市立船橋の強さに脱帽だった。

 後半のシュート数も8対0と一方的だった。市立船橋は、ハーフタイムに村上をお役御免でベンチに下げる余裕のさい配。翔凛は前に出ていくことができなくなり、防戦一方。市立船橋はややプレーが雑になる面もあったが、後半9分にFW矢野龍斗、試合終了間際に1年生FW郡司篤也が技ありのミドルループを決めてトータル7得点。朝岡隆蔵監督は「特に後ろの2列(DF、MF)は安定している。成熟した大人のチームになってきた」と試合の手ごたえを話した。市立船橋の目標は、全国優勝ただ一つ。特に前年は高校総体も高校選手権も東福岡高(福岡)に敗れた悔しさがある。主将の杉岡は「全国大会は、昨年以上にチームが成長できる舞台にしたい。(東福岡への意識は)間違いないところ。今年は勝たないとダメ。絶対に負けられない。決勝で当たれたら最高。昨年は(準優勝で)悔しかったので、優勝は狙っている。一戦一戦やって、たどり着ければいい」と次の舞台に目を向けた。今年も全国大会で強い市立船橋を見ることができそうだ。

[写真]市立船橋のFW村上は前半だけで3得点

(取材・文 平野貴也)
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