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[総体]流経大柏、泥臭いFW古谷の活躍で全国切符を獲得:千葉

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[6.19 総体千葉県予選準決勝 暁星国際高 0-2 流通経済大柏高 柏の葉]

 苦しんでいる強豪校が、意地を見せて全国切符をつかんだ。平成28年度全国高校総体
「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(広島)の千葉県予選は19日に柏の葉総合競技場で準決勝を行い、第2試合は流通経済大柏高が2-0で暁星国際高を破って 2年連続の全国大会出場を決めた。

 セットプレーが勝敗を分けた。流経大柏は4分、右CKを時岡寛拓が合わせるが枠を捉えず。18分にも同じく右CKを今度はFW中村翼が頭で合わせたが、クロスバーを越えた。19分、FKのロングフィードのこぼれから逆サイドへ展開して右DF宮本優太がシュートを放ったシーンも枠外。流れの中では思うようなチャンスメークはできなかったが、守備を重視した手堅い試合運びでセットプレーを武器にゴールへ迫った。

 対する暁星国際は、36分に右ウイングバックの太田潤がゴール前にラストパスを入れたが、FW田中優成とタイミングが合わず、リターンパスを受けてクロスを上げ直したが跳ね返されるなど得意のサイド攻撃は見せたが、シュートを打てなかった。

 試合が動いたのは、後半だった。流経大柏はハーフタイムにFW古谷三国とDF近藤立都の2人を同時に投入。強力な左足を持つ近藤がひたすらロングボールを前線や対角に蹴り込み、古谷が相手DFラインの裏へ走って好機を探った。そして後半12分、近藤が左サイドからロングスロー。古谷が頭でそらすと、ゴール前の混戦から足下に跳ね返って来たボールを右足で豪快にゴールへたたき込んだ。さらに後半17分、流経大柏はFW河西守生が右前方のスペースにパスを出すと、古谷が猛然と走り込んでドリブルを開始し、暁星国際のDF降籏光星がタックルしたところでファウルとなり、PKを獲得。FW中村が決めて追加点を奪った。

 古谷は「技術ではチームで最下層。1点目は、思い切り振ったら入ってビックリした。でも、走ることならスピードも持久力も自信がある。2点目のPKは、自分なら行けると思って全力で走って追いつけた。日本代表の岡崎慎司が目標。泥臭いゴールを決めて来いと言われている。試合に出たらとにかく決めてやるという気持ちだった」とがむしゃらなプレーで2ゴールに貢献する働きを見せた。

 2点差となると、暁星国際は選手交代などで反撃。後半22分には右CKからDF藤井大輔がヘディングシュート。後半35分過ぎには、左から流れたボールをDF西田有吾が狙ったが、枠を外れた。MF高山楓のドリブルなども光ったが、目を見張ったのは、PKを与えてしまった降籏のロングスローだ。低くて速い弾道は、1投目こそGKにキャッチされたが、その後は投げる度に会場をどよめかせた。先制点が勝負の分かれ目だったが、接戦に持ち込んだ手ごたえはあったようだ。最後まで得点は奪えず、0-2で敗れたが、降籏は「流経のプレスは千葉県1部リーグのレベルとは全然違った。スローインは見せられたと思うけど、PKの場面はファーストタッチで中に入って来たところが予想外だった。ファウルではないと思ったけど……。今日感じた力の差を冬までに埋めたい」と巻き返しを誓った。

 翌々日の21日に同会場で行われる決勝戦は、流経大柏が前回大会で全国準優勝の市立船橋高と対戦する。流経大柏は、所属する高円宮杯U-18プレミアリーグEASTで5戦全敗と元気がなく、逆に市立船橋は無敗で2位と対照的だ。流経大柏としては、高校総体を浮上のきっかけにしたいところ。千葉県は上位2チームが全国大会に出られるため、準決勝突破で切符を得られたことになるが、究極のライバルを倒してさらに自信を深められるか、注目される。

[写真]先制点を挙げて喜びを爆発させる流経大柏FW古谷

(取材・文 平野貴也)
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