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U-23日本代表メンバー発表、手倉森監督会見要旨

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 U-23日本代表の手倉森誠監督は20日、都内で記者会見を行い、29日にU-23南アフリカ代表と対戦するU-23日本代表メンバー21人を発表した。

以下、手倉森監督会見要旨

手倉森誠監督
「今回の南アフリカ戦、リオに向けての国内最後の強化試合となれば、それが壮行試合なのかと思われている方もいらっしゃると思いますが、これはあくまでも強化試合だと。7月1日にいよいよ18人を発表する前の最後のテスト、そういう意味でこれまで活動にずっと参加してきている選手プラスアジア最終予選からケガで離脱していた選手、そして改めてもう一回手元で見てみたいなという選手、それを含めた21人で構成したメンバーになります。チームとして世界に挑むときの準備をこれまでもしてきましたが、スピードとパワー、それを示しながらの戦いをしたいなと。そして戦術的には、柔軟性、割り切り、メリハリの利いたサッカーを南アフリカ戦ではお見せしたい。このメンバーで示すサッカーは五輪でも示そうとするサッカーということなので、リオでの躍進する可能性をまずこのメンバーで確認してもらう。それがこの試合の強化だというところになります。チケットの売れ行きもいいみたいなので、期待に応えられるようなゲームをしたいなと、そしてアジア最終予選の前はね、皆さん不安に駆られていた状況だったと思いますが、今回はこの試合が終わった後に本当ワクワク、リオの本戦が待ち遠しくなるような、そういう雰囲気になれるようなゲームを示せればなと思います」

――試合が行われるアルウィンの印象と国内最後の試合をどういう試合にしたいか。
「松本は山雅というチームで非常に盛り上がっている場所、そしてサッカー専用スタジアムで雰囲気がある。ちょっと風が強い印象がありますが、本当に代表としてなかなか行けない地域での試合になります。長野の方々にぜひ、代表を身近に感じてもらえるような、そういったゲームをできればなと思います」

――最終予選後にケガをして、復帰した選手が何人かいますが、どういうところを期待、見定めたいか。
「ケガからの復帰組は全力でまずはやれているかどうかと。1試合やれるくらいのコンディションでも困る。本大会では連戦があるのでね。また人数が絞られた中での戦いになるので、タフに戦い抜ける、フィジカルとメンタルが備わっているかという。これからの残された期間で、そこまで持って行けるかどうか。その計算もしてあげないといけないと感じています。それを計算した上での絞り込みになってくる」

――橋本拳人選手がDF登録ですが、彼の起用方法は。負傷している岩波拓也選手の状況は。
「拳人は守備的ボランチから後ろの守備者としてのマルチプレーヤー。今回はディフェンスの方に登録していますが、彼の能力ならボランチから後ろはどこでもできる。それはガーナ戦で見て、トゥーロンには連れていけなかったので、今回もう一回トライさせてみたいなと。岩波は今の時点でちょっと走り始められているという状況。7月の初旬にはもしかしたら練習に復帰できるというような報告をメディカルからは受けています。非常に元気に取り組めているということで、そこを待ちながらいたいと思う」

――中島翔哉選手が背番号13の理由は。
「10番に戻ったら完全復帰と皆さんも思うじゃないですか。まだ、ここに来るまでに、この間の節で20分しか出ていない選手をいきなり元に戻すわけにはいかないなと。まあ、彼がいなかったときに矢島が10番背負ってガーナ戦でもトゥーロンでも良い仕事をしてくれていると。今の時点では時系列からいってでも、矢島が10番だなと。そこに10番に戻す力というのを、彼にはこの試合で表現してもらえればなと思うんですけどね」

――試合をしてから7月1日のメンバー発表まで時間が短いが、監督の中で発表するメンバーはあらかた決まっていて、ここで最終チェックなのか、それとももう一度全容を見定めて決めるのか。
「私の心理を全部読まれたような質問(笑)。この試合が終われば1日まで本当に時間がないと。ある程度のメンバーの枠組みは私の中にすでにあって、でも復帰組がね、こうして今Jリーグに帰って来てくれている中で、ここでもう一回チャンスを与えるのが自分のやり方だなと。そこで、そこは小さな部分でありますが、差し替えもまた可能になる場所かなと。残り少ない日数は、そこだけ考えられればなというふうなところまで今僕の中にあります。ただ、これまでの五輪チームで必ず差し替えがありますからね、選んだあとにね。だから、ここにいるメンバーは間違いなくそういった準備、心の準備を常にしておかないといけない。そういったメッセージも彼らには伝えてある」

――この試合でオーバーエイジに内定している2人を起用しないのは監督の考えか。もう1人、濃厚とされている興梠慎選手と浦和レッズが難色を示しているという情報があるが、その場合FWのオーバーエイジはいらないと腹をくくっているか。
「オーバーエイジを呼ばないのは僕の考えです。今Jリーグはファーストの優勝争いの佳境、またセカンドステージも始まると。6月、7月はものすごく試合が立て込んでいる。そこでオーバーエイジを呼んだときのコンディションというのは少し考慮しましたし、あと本大会で彼らを交えたときに、そのときにいよいよお披露目できればなと。だから、強化試合であって壮行試合ではないと言っているのもそういうところに関係している。オーバーエイジの選手たちは、ブラジルに行ってからの時間でも十分すり合わせすることができるなと自分の中には自信があるので、そのときで良いなと感じています。もう1枚の話が出ましたが、こっちは待っている状況です。

――中島翔哉選手をFW登録にしている意図。
「メンバー構成を考えたときに、トゥーロンに連れていきたかった伊東純也を連れていけなかった。その彼をまたサイドハーフで試したいと思ったときには、翔哉の能力を見たときにサイドハーフとFWと、もしくはトップ下というところが彼ができたとき、今回はFW登録にしていると。トヨ(豊川雄太)もそうですよね、復帰組で元々サイドハーフ。彼らにその役割を今回与えたときには、彼がまたポジションを変えると。元々このグループはね、2つのポジションをやれるという条件を持っている選手から活動が始まっていますから、こういうことも可能なんだなというところです」

――今回の試合で試したい布陣、どういう部分を確認したいか。試合のテーマは。
「まずはコレクティブさを必ず出さないといけない。日本代表、このチームのやり方としてはね。守備でのコンパクトさと攻撃での距離感で、本当にテンポの利いたサッカーを表現できればなと思っています。システムのオーガナイズというのは、基本的に4-4-2、4-2-3-1をベースにしながら、ゲームの流れの中で彼らが顔色を変えてくれればいいなと期待しながら。それが機能するような布陣でやっていきたい。とにかくボールも人も動いて、今回は過密なJリーグの中でのゲームになりますが、スピードとパワーというのを出す覚悟を持たないといけない。マナウスでの初戦は本当に過酷な環境の中で、体力を振り絞らないといけないところですから、そこでのタフさを考えれば、南アフリカを翻ろうするくらいの活動量を、ぜひグループで表現してもらいたいなと思います」

――トゥーロンで得たものを踏まえて、どういうところを発揮してほしいか。
「トゥーロンで結構、対戦国は別の国とやっている試合の後、日本とやったときに顔色を変えるんですよ。元々、他の国の若い選手たちがゲーム、対戦相手によって柔軟性を持ちながら戦えるということにトゥーロンで気付かされたときに、自分たちもそれを絶対に身に付けなければいけないと思っています。もちろん、我々のストロングでゲームが進めばいいですが、絶対に世界での戦いはそんなことはない。おそらく南アフリカ戦もそうなるだろうと。そうなったときに、攻勢と劣勢をしっかり判断して。スピードとパワーを示すということ。90分スピードを上げ続けるサッカーは出きるわけはないと考えたときに、メリハリが必要になってくるので、そういったゲームのコントロール力というのは、このチームには期待したいなと思います。それができなければ、本大会も難しくなるよという話は、トゥーロンから今回もずっと言い続けてトライさせたいなと思います」

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