beacon

[EURO現地レポート]耳に残るイングランドサポの歌声…その歌詞は?

このエントリーをはてなブックマークに追加

 早いものでEURO2016も“後半戦”だ。決勝トーナメント1回戦が終われば、残るは8か国、7試合。6月10日から7月10日まで、丸1か月も行われる大会の前は“長すぎる”なんて思っていたものの、現地入りしてみればあっと言う間だ。

 今大会は出場チーム数が24か国に増えたことで大会全体のレベルが取り沙汰される一方、今までこの大舞台に縁のなかった国によってカラフルに彩られた側面もある。個人的には、この大会の魅力もしくは意義は、1か月を通してフランスに滞在できるということ。次回のEUROは欧州全土での開催になるため、大会全体を追いかけて取材するのは極めて難しくなる。グループリーグの第1戦から決勝戦まで、一つの大会をトータルで楽しめる、もしかしたら最後のチャンスになるかもしれない。

 さて、大会も後半に入り、加速度的にチームが減っている。ノックアウトなので1試合ごとに1チーム減っていくのだから当たり前だが、少々寂しさもある。24チーム中16チームが進出した決勝トーナメントにはイングランド、ウェールズ、北アイルランドの英国勢もすべて残っていたが、北アイルランドはウェールズとの“つぶし合い”で姿を消してしまった。

 彼らは政治的には難しい事情を抱えているのだろうが、言語は基本的に英語。同じ曲を歌って応援していたりするから面白いものである。特に耳に残ったのが「Don't take me home」という歌だ。日本人の私にも、怒鳴るように歌う彼らの歌詞が多少聞き取れる簡単な歌。試合のテレビ中継で耳にした方も多いのではないだろうか。

 正確な歌詞を、と思って調べていたら、UEFA公式サイトに掲載されていた。

 イングランドのパートをチェックしてみる。

Don't take me home, please don't take me home
I just don't wanna go to work
I wanna stay here, drink all your beer, please don't take me home

 訳してみると、「おうちにつれて帰らないで。お願いだから、帰りたくない。働きたくないんだ。ここにいてビールを飲みまくりたいんだ」とまあひどい歌詞である。

 でも、ここではこの歌をすごく楽しそうに、もともとは他人同士であろう人たちも一緒に歌ってビールを飲むことで、すっかり仲良くなっている。そんな姿を見ると、なんだかこちらも笑顔になってしまう。

 そんなイングランドの決勝トーナメント1回戦の相手はアイスランド。人口約35万人という小さな国で、代表選手たちはいわば“我が街”の代表といったところか。チームとサポーターの距離感には、どこか甲子園や高校選手権に似た雰囲気もある。こちらも独特な応援と一体感を持った魅力的なチームで、どちらが消えても寂しいが、結果やいかに……。

(取材・文 了戒美子)

●EURO2016特設ページ

TOP