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「アシストでチャラかな」自己評価辛めの室屋、故障明け初のフル出場で健在アピール

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[6.29 キリンチャレンジ杯2016 U-23日本代表 4-1 U-23南アフリカ代表 松本]

 復帰後初のフル出場で完全復活を印象づけた。DF室屋成(FC東京)は「最後はきつかったけど、何とかやり切れた。90分やれたことは自信になるし、代表で90分やれたのは自分的にも良かった」と、安堵の吐息を漏らした。

 今年1月のAFC U-23選手権は5試合に先発フル出場し、リオデジャネイロ五輪出場権獲得に大きく貢献した右サイドバックだが、帰国後の2月11日のトレーニング中に負傷し、左足ジョーンズ骨折で全治3か月の重傷を負った。

 負傷直後は「落ち込んだし、不安もあった」が、懸命なリハビリを乗り越え、FC東京U-23の一員として今月12日のJ3藤枝戦に途中出場し、実戦復帰。18日のJ3C大阪U-23戦、26日のJ3盛岡戦と2試合連続で先発し、この日が復帰4戦目だった。

 J3で先発した2試合はそれぞれ後半16分、後半22分で途中交代しており、この日が初のフル出場。「これで4試合目。ゲーム体力が戻り切っていないのは確か」だが、五輪本大会まではまだ時間がある。何よりも「痛み自体はまったくないし、まったく問題ない」と、故障への不安を完全に拭い去ったことは大きい。

 1-1の前半45分には右サイドをオーバーラップし、マイナスのクロスでMF矢島慎也の勝ち越しゴールをアシストした。一つ結果も残したが、「アシストはできたけど、全体的にいいプレーは少なかった。アシストでチャラかなと思う」と、あくまで自己評価は辛め。「寄せ切る部分だったり、守備でもっと取り切れるところはあった。攻撃でミスもあった」と貪欲に語った。

 後半22分からは左サイドバックにポジションを移した。「めっちゃ久しぶり」と、自分でもいつ以来のプレーか記憶はなかったが、ハーフタイムに手倉森誠監督から「左でできるか?」と聞かれ、「『できます』って笑いながら答えた」と、断る理由もなかった。「左では何もしてないし、ユーティリティー性を見せられたかは分からない」。そう苦笑いしながら謙遜するが、7月1日の五輪メンバー発表前ラストマッチで、その存在感は十二分にアピールした。

(取材・文 西山紘平)

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