beacon

アーセナル移籍決定の浅野に英メディアでは懐疑的な見方も 「宮市を覚えているか?」

このエントリーをはてなブックマークに追加

ベンゲルが期待する日本の快速FW、イングランドで成功なるか?

 サンフレッチェ広島からアーセナルへの移籍決定が先日発表されたU-23日本代表FW浅野拓磨だが、イギリスメディアではアーセナルのこの補強に対して懐疑的な見方もあるようだ。

 アーセナルは3日に浅野の獲得について基本合意に達したことを発表。今後メディカルチェックや書類手続きを終えた上で、アーセナル入りが正式に決定することになる。

 アーセン・ベンゲル監督は浅野について「将来が楽しみな若きストライカー」であり、「今後2年ほどでのさらなる成長を期待」すると述べている。当面はイギリスの労働ビザ取得が困難であり、他国のリーグへのレンタルが濃厚であることも含め、即戦力と言うよりは将来に向けての補強であることは明らかだ。

 だがイギリス『インディペンデント』は、「マンチェスター・ユナイテッドが大盤振る舞いをする一方で、アーセン・ベンゲルは再び遅れを取る危機」と題した記事の中で、浅野の獲得はある意味でアーセナルの補強が順調ではないことの象徴であるかのように取り上げている。

 ユナイテッドはすでにMFヘンリク・ムヒタリャンを2630万ポンド、DFエリック・バイリーを3000万ポンドで獲得したのに加え、フリー移籍でFWズラタン・イブラヒモビッチも加入。一方のアーセナルはMFグラニト・ジャカを3000万ポンドで獲得したとはいえ、中盤はアーセナルにとって必ずしも補強が必要なポジションではないと『インディペンデント』は述べる。

 補強が必要だと言われるFWのポジションに現時点で加入が決まったのが浅野だが、同紙の論調は手厳しい。「未来のため」と言われる補強だが、23歳となる2年後に戦力となるかどうかも定かではなく、決して若くはないと指摘。ウェイン・ルーニーはユナイテッドに18歳で加入し、デビュー戦でゴールを決めるなど即戦力になったとして対比している。

 ベンゲル監督が同様に期待をかけたFW宮市亮も、結局は物にならなかったとの評価だ。マット・ガトワード記者は「宮市を覚えているか? 私だって覚えてはいない」と辛らつに記し、アーセナルで(リーグ戦)1試合の出場に終わった同選手が現在はドイツ2部(ザンクト・パウリ)でプレーしていると続けた。

 一方で、『フォー・フォー・トゥー』は浅野のキャリアや特徴などを詳細に伝え、イングランドでは現時点であまり知られていないであろう日本の若手選手を現地ファンに紹介した。過去にアーセナルが獲得した宮市やMF稲本潤一が十分に成功を収められなかったという前提の上で、浅野がそれを上回ることができるかどうかと論じている。

 必ずしもゴールを量産するストライカーではないが、最大の持ち味であるスピードも含め多彩な能力を持っており、アーセナルで成功できる可能性もあると期待を込めた見方だ。一方で、アジアからの選手獲得は「ユニフォームを売るため」だというイメージは(活躍しなければさほど売れるものではないという意味でも)「伝説」に過ぎず、アーセナルが期待しているのはピッチ上での実際のプレーだとも述べている。

●欧州組完全ガイド
●欧州移籍情報2016-17
●プレミアリーグ2016-17特集
世界のサッカー情報はgoal.com

TOP