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「俺だったら絶対に行きたい」OA受諾で悩む興梠の背中を押したのは…

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 悩めるエースの背中を押した。浦和レッズのMF柏木陽介が、リオデジャネイロ五輪代表にオーバーエイジとして招集されたFW興梠慎三の決断を後押ししたようだ。

 オーバーエイジ候補に入ったとの報道が出た6月中旬、興梠は当初、「そういうふうに名前が挙がることは光栄で、うれしいことだけど、僕は浦和レッズに所属している。そこが一番大切だし、よく考えて決断したい」と慎重な姿勢を見せていた。実際、DF藤春廣輝(G大阪)、DF塩谷司(広島)の2人は先にオーバーエイジに内定。手倉森誠監督は残る1枠について「こちらは待っている状況」と、あくまで興梠サイドの決断を待った。

 そんな中、興梠に対して「こんなチャンスがあるのに、行かなかったらもったいない。オーバーエイジは3人しかいないのに、監督から『出てくれ』と言われるなんてすごく光栄なこと」とアドバイスを送ったのが柏木だった。

「(興梠は)恥ずかしがりやというか、うれしいけど素直に受け止められないところがある。俺だったら絶対に行きたいし、海外(に移籍したい)とかはないのかもしれないけど、あの舞台で活躍したらすごいこと。俺も(興梠)慎三が出ていたほうが見たい」

 柏木自身、07年U-20W杯ではチームの中心として活躍したが、翌08年の北京五輪では本大会メンバーに選ばれず、五輪出場は叶わなかった。そんなチームメイトの言葉が決め手となったのかは分からないが、藤春、塩谷の内定発表から9日後の6月23日、興梠がオーバーエイジ最後の3人目として内定。その後のリーグ戦5試合で4ゴールを挙げるなど、どこか吹っ切れたようなプレーを見せていた。

(取材・文 西山紘平)

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