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[国際ユースサッカーin新潟]U-17日本代表がU-17新潟選抜に敗れる!連覇逃して2位終戦

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[7.18 国際ユースサッカーin新潟第3節 U-17日本代表 1-2 U-17新潟選抜 デンカS]

 日本、メキシコ、クロアチアのU-17代表チームとU-17新潟選抜が総当りのリーグ戦で優勝を争った「第20回国際ユースサッカーin新潟」は大会最終日の18日、最終節を行った。U-17日本代表はU-17新潟選抜と対戦。0-2の後半25分に交代出場のFW堀研太(横浜FMユース)がダイビングヘッドで1点を返したものの、1-2で敗れた。日本は1勝1分1敗の2位。クロアチアに5-1で快勝したメキシコが2勝1敗で逆転優勝した。

 連覇を目指して最終節に臨んだ首位・U-17日本代表の前に、11年から4年連続で日本に黒星をつけている地元・U-17新潟選抜が再び立ちはだかった。終盤、パワーをかけて連続攻撃を繰り出してきた日本の攻撃を跳ね返した188cmCB山田洸太(北越高)は「やっぱり嬉しいです。新潟で一番デカいスタジアムで新潟の人たちが見ている中で代表に勝ち切れたのは嬉しいですね」と頬を緩めた。新潟のメンバーは15年国体へ向けて強化されてきたメンバーが中心。チーム事情等があって今回、国体当時のメンバーは6人だけの陣容だったが、それでも主将のMF内藤琉希(北越高)が「メンバー代わっていても新潟県選抜はみんないい選手いるし、自分もやりやすかったです。(今回のメンバーは)みんな気持ちがありますよね。技術もあるし、あと何があるかと言ったらコミュニケーション能力があった」と評したチームは最後までハードワークを続けて同年代の代表チームを打ち破った。

 U-17日本代表は4-4-2システム。先発GKは猿田遥己(柏U-18)で4バックは右SB藤松航矢(鳥栖U-18)、CB中川創(柏U-18)、CB青山夕祐(名古屋U18)、左SB桧山悠也(市立船橋高)。中盤は仙波大志(広島ユース)と小林真鷹(FC東京U-18)のダブルボランチで、右MF藤本寛也(東京Vユース)、左MF渡井理己(静岡学園高)。2トップは3試合連続で田川亨介(鳥栖U-18)と中島元彦(C大阪U-18)がコンビを組んだ。

 一方のU-17新潟選抜は内藤を1ボランチに配置する4-5-1システム。今大会は2戦2敗だった新潟だが、この年代の選抜チームとしての活動はU-17日本代表戦がラストということもあって、選手たちはロッカールームからやる気に満ち溢れていたという。目の前にいるU-17日本代表の選手たちを上回れば、自分たちの代表入りへのアピールとなる。内藤は「ぶっ潰してやろうという気持ちでした」。その気迫が伝わってくるような動きを見せた新潟に対し、日本は「やろうとしていたけれどアクションが弱かったり、単発。アクションの連続がなかった」(山口素弘監督)という立ち上がり。渡井のドリブル突破や桧山の攻撃参加など個々が持ち味を出そうとしていたものの、それがなかなか線にならない。

 一方、新潟は山田の縦パスからFW椎谷祐太(新潟明訓高)がシュートへ持ち込み、MF田中龍成(長岡向陵高)が敵陣でのチャージからチャンスをつくるシーンもあった。だが、日本は青山が素早く左サイドへつけたパスから連続してチャンス。30分には桧山の左クロスを中島が合わせ、33分にも青山の鋭いパスを起点とした攻撃から左サイドを抜け出した渡井が中島へクロスを通す。だが、シュートはいずれもGK藤田和輝(新潟U-18)がファインセーブ。また新潟は球際の激しさと対人の強さが印象的だったCB三河大地(開志学園JSC高)と188cmの長身CB山田のコンビ、そして中盤でボールを奪い切る力を見せた内藤中心に堅守を発揮する。サイドから仕掛けられても右SB澁谷輝(帝京長岡高)らが身体を張ったディフェンス。その新潟は前半終盤にMF小林心(北越高)のスピードを活かしたカウンターや、MF古木雄大(日本文理高)のタメから左SB土田亘彦(北越高)が上げた高精度クロスなどでチャンスをつくると45分、MF佐藤亮太(新潟明訓高)のさばきから土田の正確な左クロスをファーサイドの小林が頭で折り返す。最後は椎谷のシュートのこぼれ球をどフリーの内藤が難なくゴールへ押し込んだ。

 先制された日本は後半開始からGK若原智哉(京都U-18)、右SB石原広教(湘南ユース)、左MF椿直起(横浜FMユース)、FW堀の4人を投入。開始直後に藤本のスルーパスから中島が左足シュートへ持ち込むと、10分には椿の突破から堀が決定的な左足シュートを放つ。16分にダブルボランチを井澤春輝(浦和ユース)と村田聖樹(川崎F U-18)に入れ替えた直後の19分には、藤本のパスで右サイドを抜け出した石原が強引な突破から左足を振りぬいた。
 
 だが、このチャンスもGK藤田に阻まれると22分に痛恨の失点。テンポを欠いたビルドアップでCBがFW外山光(長岡向陵高)にボールを奪われると、そのまま左足で決められて2点差とされてしまう。日本は25分、カウンターから左サイドを駆け上がった椿のクロスを堀がダイビングヘッドで決めて再び1点差。この後、最後の交代カードとして左SB入間川景太(甲府U-18)を送り出した日本は怒涛の攻撃で相手ゴールをこじ開けようとするが、新潟の守りは堅い。後半アディショナルタイムにはいずれも石原のクロスから井澤が決定機を迎えたが、ヘディングシュートがクロスバーを叩くなど同点ゴールを奪うことができず。2-1で勝った新潟が喜びを爆発させた。

 新潟の山田は「自分たちの世代の代表なんでそこは(白星を)譲れない。新潟から一人も代表出ていないし、そこはすごく悔しいところなので」。格上から勝ち取った意地の白星でもあった。一方、日本の山口監督は新潟の印象について「全体通して統率が取れていた」と評価。そしてU-17日本代表の選手たちに対しては「悔しがるというか、何か気づいて欲しい。慣れて鈍感になったらダメですよ。成長が止まってしまう。競争意識を持てるように。所属クラブでそこそこ出ていて満足していいのか。日の丸つけて戦う機会がある。色々な刺激を受けて、もっと刺激を受けたいのであれば、新しい日の丸つける戦いのチャンスを掴むというのもあるだろうし、いつからやるのかと言ったら日常が大事」。試合の入り方、コンビネーション、精度の部分など課題も多かったU-17日本代表の選手たちは今大会で気づいたことを日常から改善して、また代表チームに戻ってくるための競争をする。 

(取材・文 吉田太郎)

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