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[総体]開催地第1代表の広島皆実、2年連続のベスト8から日本一へ

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 2年連続のベスト8から、壁を打ち破って頂点へ。開催県・広島の第1代表として全国高校総体に臨む広島皆実高が目指すのは、地の利を生かしての夏の日本一だ。

 シーズン序盤は思うような結果が出なかった。今年度から指揮を執る仲元洋平監督の下、ボール奪取後に縦に早く仕掛ける攻撃を軸にしていた昨年度から、ポゼッションとパスワークを駆使して攻め崩す一昨年度までのスタイルに再挑戦する過程で、プリンスリーグ中国は開幕戦こそ快勝したものの、続く4試合は1分3敗。3敗のうち2敗は県内のライバルである如水館高瀬戸内高が相手で、不安を抱えながら総体予選に臨んだ。

 だが、ここでは本来の力と勝負強さを発揮して順当に勝ち上がり、準決勝で山陽高を2-1で下して3年連続14回目の出場を決め、全国切符2枚のうちの1枚を獲得。決勝では瀬戸内に2-1で競り勝ち、昨年度のベスト8による今年度シード枠に自ら収まった。さらに予選終了後に再開したプリンスリーグでは、第7節で大社高(島根)に10-1で大勝。全国総体前最後の第9節ではサンフレッチェ広島ユースセカンドに3-0で快勝し、本番に向けて大いに勢いづいている。

 攻撃の中心は、ダイナミックなドリブル突破とスペースへの飛び出しで得点、チャンスメークの両面で貢献するFW藤井敦仁。藤井と2トップを組む安原修平は、タイミング良くスペースを突く動きとシュートのうまさで、やはり得点源として期待される。守備のリーダーは昨年度から正GKを務める對川敦紀で、1対1の強さ、的確なコーチングで守備全体を統率。堅実な守備に加え、豊富な運動量を生かした攻撃参加も武器のキャプテン有働周平、187cmの長身を生かした空中戦を攻撃でも生かすCB河野秀汰も注目の存在だ。

 2月に新人戦を制したとき、DF小林拓真が「広島開催で注目度も高いと思うし、そこで優勝するつもりで、みんなやっている。優勝したいです」、藤井が「自分たちの目標は全国でてっぺんを取ること」と語ったように、地元での戴冠は始動当初からのチームの明確な目標だった。ボールを保持して攻めるスタイルへの回帰も、日本一を目指す上で必要との判断から逆算したもの。選手権は08年度に初優勝を果たしているが、そこに至る地歩を築いたのは、八千代高(千葉)との両校優勝で初めて全国を制した99年度の全国総体優勝。伝統の「堅守強攻」を武器に、それ以来となる17年ぶりの夏の王座を狙う戦いが始まる。

(取材・文 石倉利英)
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