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[MOM1829]静岡学園MF金冨祐大(3年)_誰より走って、ピンチ潰した!Bチームから抜擢のボランチが躍動

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.29 全国高校総体3回戦 静岡学園高 2-0 大阪学院大高 呉市総合スポーツセンタ-多目的G]

 12年以来となる8強入りを決めた静岡学園高のマン・オブ・ザ・マッチは、総体予選で1試合も出場していないボランチ、MF金冨祐大(3年)だ。この日は川口修監督が「一番走って、考える速さも一番速かった。ピンチを一番彼が潰していた」と賞賛するプレー。真夏の3連戦目、この日朝の時点ではチームの中で最も疲労感色濃く、指揮官は先発を回避することも考えていたという。

 それでも試合に入ると誰よりも走っていたのが金冨。「自分は運動量が持ち味。みんな疲労がある中でセカンドボールを自分が拾うことによって、ピンチも少なくなるし、チームも助かる。だから頑張りました」。特に後半、相手にこぼれそうなボールを長い距離を走っておさえ、またボールサイドで厳しいチェックを見せて何度もボールを奪い取った。

 そして後半16分にはビッグプレー。金冨は左サイドで40m相手を追いかけてスローインを獲得する。そのスローインを起点とした攻撃から金冨のクロスを右MF坂西望が決めて静岡学園は貴重な2点目を挙げた。

 大会直前の登録変更でメンバーいりしたMFはフル出場で攻守両面において勝利に貢献。チーム全体的に動きのキレが悪く、特に攻撃面ではなかなか良さが出なかったが、その中で金冨の献身は本当に大きかった。BチームからAチームに上がったばかりで躍動するボランチ。その金冨について川口監督は「ハートも強いし、この試合に全力を出しきろうという姿勢は彼が一番強かった。それは一番成長する上で大事」と加えた。

 金冨は中学時代に九州のドリブル軍団、FC NEOでプレー。それでもドリブルと運動量自慢のMFはなかなか静岡学園のAチームで出場機会を増やすことができなかった。3年になっても状況は好転できず。それでも何かを変えるのではなく、地道にセカンドボールの攻防や攻撃に関わる自分の武器を磨いてきた。総体予選で出番がなくても「全国出ようと。チャンスを狙っていた」。そしてメンバー決めのゲームでアピールして滑り込みで全国へ。そこから一気に信頼を勝ち取ったMFは全国大会で3試合連続先発出場している。努力と献身性で未来を変えた献身のボランチが静学の進撃を支え続ける。

(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)
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