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後半ATに無念のクロスバー直撃弾…熊本MF八久保「もっとやらないと」

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[7.31 J2第26節 東京V1-0熊本 味スタ]

 終了間際の一発はクロスバーを直撃。最後までロアッソ熊本はゴールネットを揺らすことはできず、東京Vに0-1の敗戦を喫した。終了間際のアディショナルタイム4分に、クロスバーを叩くシュートを放ったMF八久保颯は「あそこを決められていれば……」と悔しさをのぞかせつつも、前を向いた。

 後半33分にカウンターから失点。1点を追うなか、アディショナルタイムの表示は4分。得点ないまま時間は進み、ラストワンプレーで八久保にチャンスがやってきた。

 DF園田拓也からの右サイド裏へのボールに抜け出たMF岡本賢明がライン際からマイナスに折り返す。飛び込んだ八久保のヘディングシュートはクロスバーを叩く。こぼれを拾った味方のシュートはGK鈴木諒大に止められた。鈴木がボールを蹴った瞬間にタイムアップ。熊本は敗れた。

 このシーンを振り返った八久保は「さっき、やっさん(岡本)と話したんですけど。やっさんも中の状況を見ていなかったそうで、僕もボールが来るとは思っていなかったんです。それでもあそこに走り込むことで、他のスペースが空くかなと思って走り込みました。ボールが来たときはしっかり当てようと思ったけれど、全然上にいってしまいました」と唇を噛む。

 とはいえ「さっきまでは悔しかったですけど……でももう終わったことなので、引きずることなく次につなげていければ。次につなげていけないといけないと思います」と真っ直ぐに前を向いた。

 この日の熊本はMF清武功暉とMF上原拓郎が累積警告により出場停止。FW巻誠一郎もベンチ外だったこともあり、FW登録の控えはFW若杉拓哉だけだった。 FW平繁龍一と初先発のFW齋藤恵太が2トップを組み、八久保は2列目右へ入った。

 立ち上がり、八久保はなかなかボールに触ることができず。それでも前半15分にはDF藏川洋平のマイナスの右クロスをPA内正面で受け、ダイレクトで狙った。決定的なシーンだったが惜しくもクロスバー上へ外れた。徐々に攻撃に絡み始め、後半11分からは選手交代に併せて、1列ポジションを上げた。

 2トップの一角を務めると、豊富な運動量で果敢に仕掛けた。またチャンスと見るや味方へボールを供給。及第点といえる働きをみせていた。とはいえ、この日は試合の入りで後手を踏んだこともあり、個人として反省が多かった様子。

 試合後には「前半は自分たちがボールを保持することが少なくて、守備の場面が多かったんですけど。個人としてもっと身体を張れた場面はありますし、攻撃でももっといけた場面もあった。出来としては全然だめでした」と肩を落とした。

 阪南大から地元・熊本へ進んだ大卒ルーキー。故障などもあり、7月10日の清水戦で途中出場でようやくデビューすると、続く横浜FC戦で初先発初ゴールを記録。そこから今節までは4試合連続で先発している。

 徐々に調子を上げつつあるMFは「もっとやらないと。ルーキーなりにもっと走って、もっと身体を張らないと、この先につながらないと思いますし、まだまだだと思います」と表情を引き締め、先を見据えた。

(取材・文 片岡涼)

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