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[総体]青森山田を苦しめ続けた「前への圧力」、流経大柏が河西劇的V弾で決勝進出!!

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[8.1 全国高校総体準決勝 青森山田高 1-2 流通経済大柏高 広島広域公園補助競技場]

 平成28年度全国高校総体「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(男子)は1日、準決勝を行い、流通経済大柏高(千葉1)が青森山田高(青森)に2-1で勝利。流経大柏は2日の決勝で両校優勝した08年以来となる優勝を懸けて、市立船橋高(千葉2)と戦う。

 立ち上がりから流通経済大柏は、持ち前の「前への圧力」をフル稼働し、強豪・青森山田に牙を剥いた。9分には右FKを得ると、相手のクリアしたボールを拾ったMF冨永和輝が目の覚めるような強烈ミドルをゴールに突き刺し、先制に成功する。さらに攻め手を強める流経大柏は、28分に再び冨永がボレーシュートを狙うが、これはFC東京入団内定のU-19日本代表GK廣末陸に阻まれる。38分には冨永のスルーパスから、FW古谷三国が抜け出すが、シュートはまたしてもGK廣末のブロックに阻まれた。

 後半に入っても、流経大柏の勢いは落ちなかった。前線からの激しいプレスと、裏への素早いロングフィードを軸に、足が止まって来た青森山田に容赦なく襲いかかった。31分にゴール前の混戦からMF郷家友太が押し込んで青森山田が同点に追いつくも、「守備が多くなってしまって、攻撃に厚みが出来なかった」と郷家が唇を噛んだように、流経大柏の圧力はより高まって行った。

 そして後半アディショナルタイム突入後の38分、流経大柏はインターセプトからショートカウンターを仕掛ける。交代出場のMF加藤千尋が前線にパスを送ると、「相手のDFラインとボランチの間のスペースが空いていたので、自分の運動量を活かして、積極的に狙っていた」MF本田憲弥が、トラップから思い切って右足を振り抜いた。

「ボールをもらったときにいつもならパスをしていたと思うのですが、自分もどんどん調子が上がって来ていたので、思い切って打った」(本田)シュートは、ゴール右ポストを直撃。その跳ね返りに反応した途中出場のFW河西守生が、右足でゴールに突き刺した。これが決勝点となり、流経大柏が13年以来の3年ぶり3度目となる決勝進出を果たした。

「CBがサイドに振り出された時点で、僕が中央に戻らないといけないのに、ボールを見てしまった。ポストに跳ね返った後も、すぐに反応をしなければいけないのに、それも見てしまった。それこそ僕らが持っている課題」。青森山田はキャプテンMF住永翔が語ったように、らしくないミスが出てしまった。雪国ゆえに、連日の暑さが彼らから集中力を奪っていたのも事実だった。

 一方で決勝進出を果たした流経大柏は、「プレミア開幕戦で0-3で負けていたので、僕らの方がモチベーションは高かったと思う」と、MF関大和が語ったように、彼らはピッチにあの悔しさを思い切りぶつけて来た、まさに意地の勝利だった。「この短期間で本当に選手たちは成長している。本当に頼もしい」と、榎本雅大監督代行が目を細めたように、リベンジを果たし、さらに逞しくなった彼ら。準決勝の結果、関と古谷が累積警告のために次戦出場停止となるが、全員の力を結集して、絶対的なライバル・市立船橋とのファイナルに臨む。

[写真]後半アディショナルタイム、流経大柏は河西が劇的な決勝点(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 安藤隆人)
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