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[総体]プロ入り濃厚の市立船橋CB杉岡大暉、自身初の日本一獲得誓う

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[8.1 全国高校総体準決勝 昌平高 0-1 市立船橋高 広島広域公園第一球技場]

「自分も、みんなも、この代は日本一を獲っていない。自分たちには(プレミアリーグ、選手権を含めた)3冠のチャンスがあるのでここを獲りたい」。市立船橋高のU-19日本代表候補CB杉岡大暉主将(3年)は、そう力を込めた。

 全国4000校以上ある高校の頂点に立つことは、もちろん簡単なことではない。だが、高校サッカー界を代表する名門校である市立船橋はそれに対してどのチームよりも、意識高く、真剣に目指してきた。全国高校総体優勝は史上最多の8回、全国高校選手権優勝も5回を数える名門・市船。特に07年以降は08年、10年、13年に全国総体を制し、11年度には選手権優勝と近年は在学中に一度は日本一を経験してきている世代が続いているだけに、現3年生は自分たちも必ず日本一を勝ち取るという思いをもっている。

 争奪戦の末、Jクラブ加入が決定的になっている杉岡は「本当にプロになったらなったでさらに難しくなると思う。自分の人生の中で日本一取ったことが無いんで、日本一取ってみたいですね」と自身初となる日本一への意気込みを口にした。昨年は目の前で全国タイトルを逃す悔しさを味わった。東福岡高と対戦した決勝では自らのミスで先制点を献上。チームは後半終了間際の同点ゴールによって延長戦へ持ち込んだが、PK戦で涙を飲んだ。「(連絡される先輩は)頑張れよと言ってくれるので、そういう人のために勝ちたい」

 今大会は5試合でわずか1失点。流れの中での失点はひとつもない。昌平高と対戦したこの日は、相手の俊足FW本間椋の対応に気を遣い、ややラインが下がりすぎていた面があったが、“危険人物”にシュートを1本も打たせず。加えて「前が限定してくれて守ってくれたので良かった」というサポートも支えに、自身も最終ラインでボールを奪い切る強さを何度も発揮するなど完封勝利を果たした。また相手に厳しいプレスをかけられても、それをいなして前進するなど個で他との差を示していた。

 2年連続で進出した決勝ではライバル・流通経済大柏高と対戦する。「県決勝では(延長戦後半の)ラストプレーくらいでやられている。負けたくないですね」。今年3度目となるライバル対決を制して、仲間たちとともに自身初となる日本一を勝ち取る。

(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)
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