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[総体女子]藤枝順心は「絶好調」の妹、痛みに「負けたらダメ」と戦い抜いた姉の福田姉妹が優勝の原動力に

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[8.2 全国高校総体女子決勝 藤枝順心高 1-0 作陽高 Eスタ]

 初優勝した藤枝順心高はMF福田ゆい(3年)、GK福田まい(3年)という双子の姉妹が優勝の原動力となった。
 
 姉のゆいが「絶好調だった」と分析するGKまいが、この日も守備範囲の広さを活かしてDFラインの背後を広範囲にカバー。相手に主導権を渡さずに試合を進めると、MFゆいは中盤で奮闘し続けた。前半終了間際に競り合いで負傷して一時ピッチを離れたが、仲間たちの励ましの声、そして怪我人が続出しているチーム状況から「自分が負けたらダメだ。力を出さないと」とピッチに戻る。

 そして後半20分、姉は痛めている左足で決勝点を演出した。右FKから「蹴る時はアドレナリンが出るんですよ」という強烈なキックがゴールエリアへ。GKがファンブルしたボールをMF上田桃(2年)が押し込んで決勝点となった。「選手権でも作陽はGKがキャッチミスしていた。GKがキャッチミスするかもしれない」と強いボールを蹴りこんだことが値千金の一撃をもたらした。

 普段は「ムカつく」こともあるという姉妹。だが、ケガに苦しむ姉は、同校の調理栄養科で学ぶ妹からコンディション面のアドバイスを受けることが多いという。栄養面では疲労回復するために何を摂ればいいのか教えてもらい、また「ひじき食べないとぶっ飛ばすぞと言われたり(笑)」。強制的にでも体づくりをして来たことがもしかしたら決勝で走りぬく力になったかもしれない。普段は言い合うこともあるという姉妹だが、今大会は「次、次となった」というように前向きな言葉を掛け合い、良い関係でチームのリーダーシップを取って勝利に貢献した。 

 多々良和之監督が「このメンバーでよくやったなと。自分たちの力を出せた」と讃えた藤枝順心。準決勝で4連覇中の女王・日ノ本学園を倒し、決勝でも自分たちの繋ぐサッカーで相手にいいところを出させなかった。そのチームを攻守で引っ張った福田姉妹。「今年の目標は2冠。成長してまた日本一を取れるように」(福田ゆい)。次は夏冬連覇のために、2人は意見を出し合いながら、チームを成長へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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