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[MOM1838]FC東京U-18FW久保建英(中3)_直接FK沈める!“飛び級出場”で大会得点ランクトップタイに

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[8.2 クラブユース選手権(U-18)準決勝 FC東京U-18 5-1川崎F U-18 味フィ西]

 15歳のFWが流れを一変させた。FC東京U-18のFW久保建英(中3)は、0-1で迎えた川崎F戦の後半から出場。わずか2分後に自らFKを獲得し、冷静に決めた。これが反撃の狼煙となり、勢いに乗ったチームはゴールを量産。終わってみれば5-1の快勝で、2年ぶりの決勝進出を決めた。

 試合後、FC東京U-18の佐藤一樹監督は久保の投入に際して、「自分の良さと質を出してくるよう言いました」と明かす。そして後半開始からピッチへ立ったFWは起用に応えた。後半2分右サイドから仕掛けてDF新井秀明のファウルを誘い、FKを獲得。これを左足で直接決めた。

「一応、あそこに入ったらいいなという感じで蹴りました。決めるしかないと思った。入って良かったです」。狙い通りの一撃はゴールネットへ吸い込まれた。鮮やかなFKを決めた久保は一目散にベンチ前へ走りこみ、チームメイトと抱き合うと、力強いガッツポーズをみせながら咆哮した。

 後半開始直後の一撃で1-1に追いつき、流れをつかんだFC東京U-18。そこから一気に4点を追加。5-1の勝利で2年ぶりの決勝切符を手に入れた。

 佐藤監督は久保の同点弾について「あのタイミングで同点ゴールが決まったのは、チームの士気が高まった瞬間でした。あのゴールがなかったら、もっともっと厳しい試合になっていたと思う」と称える。

 中学3年生ながら“飛び級”でU-18チームでプレーしているが、問題はないという。指揮官は「彼の場合は上級生のなかに自分からどんどん入っていって、オフのところから上手くやっている」と言い、「自分の立ち位置にしっかりと気づいていると思いますし、しっかりと自分のプレーを表現できるようなバックグラウンドがあると思う」と話すとおりだ。

 この日の試合後、FC東京U-18の選手たちは川崎Fのゴール裏まで行き、相手サポーターへ挨拶した。そこで巻き起こったのが「久保! 久保!」というコール。川崎F下部組織出身である久保を激励するものだった。川崎Fの下部組織からバルセロナへ飛び立ち、再び日本でプレーする15歳は一人足を止めると、深くゴール裏へ向かって一礼していた。

 川崎F戦での直接FKが今大会5得点目。飛び級でのプレーながらも、大会得点ランキングトップタイに躍り出た。決勝へ向けては「チーム一丸となって来れているので、しっかりと日本一を獲りたいと思います。自分としては少しでもチームの勝利に貢献できるようなプレーができれば」と静かに力強く誓っていた。

(取材・文 片岡涼)
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