beacon

ショックはある…久保断念に中学同学年MF原川「小さい頃から一緒にやってきた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 小さな頃から切磋琢磨してきた。同学年となった鴻南中時代は所属チームは違えどともにボールを蹴り、ともに京都ユースに加入。そして、ともにU-23日本代表の一員として戦い、リオデジャネイロ五輪出場権を獲得し、五輪本大会に臨むはずだった――ー。

 FW久保裕也(ヤングボーイズ)の招集見送りがクラブから発表されたのは7月27日だった。その後は霜田正浩ナショナルテクニカルダイレクターがブラジルからスイスに渡ってミーティングを行うなど、招集の可能性を残してきたが、8月2日に久保の招集断念が発表された。

 幼い頃から久保とともに成長してきたMF原川力(川崎F)は、31日に五輪初戦を戦うマナウスに移動してから、連絡を取り合っていたことを明かした。

 同室であり、京都で同僚だったGK杉本大地(徳島)とともにテレビ電話で久保と連絡を取り、状況を確認。「一日一日どういう感じで進んでいるのか話していた。あいつ本人がどうこうして変わる問題でもないので、本人のもどかしさも伝わって来ました」。

 そして2日の昼に選手たちに久保の招集断念が伝えられる。「小さい頃から一緒にやってきたし、予選も一緒に戦ってきた仲間なので、ショックはあります」と心境を吐露。久保本人からもラインで結論が出たことを伝えられたようだが、「まだ話はしていません」と語った。

 ショックはある。しかし、前を向こうと視線を上げる。テレビ電話で話している際に久保が「与えられた場所で頑張るしかない」と言っていたようで、原川も「あいつはチームで活躍してくれると思う」とエールを贈る。そして、久保が五輪出場を熱望していたことを知っているからこそ、「ここに来ている選手が思う存分、思い切りやらないといけない」と仲間の思いを背負い五輪の舞台で暴れようとしている。

(取材・文 折戸岳彦)

●リオデジャネイロ五輪特集

TOP