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[京都FA杯]立命館大が紫光クラブに4発勝利で決勝へ、「このサッカーで日本一を」

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[7.30 京都FAカップ2016準決勝 立命館大4-2京都紫光クラブ 西京極]

 天皇杯の京都府代表を決める京都FAカップ2016 第21回京都サッカー選手権決勝大会の準決勝、立命館大学(大学第1代表)vs京都紫光クラブ(社会人第2代表)の試合が7月30日に京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場で行われた。

 前半に主導権を握ったのは立命館。最終ラインからパスをつないで攻撃を組み立てると、2分にCKからDF池松大騎(4年=京都U-18)が強烈なヘディングシュートで先制パンチを放つ。この場面はカバーに入った相手DFに防がれたが、9分には先制点が生まれる。

 最終ラインの池松からのロングフィードにFW佐當慧(2年=清風高)が反応すると、飛び出してきたGKよりも先にボールに触ってゴールネットを揺らした。22分にはビルドアップを図った相手守備陣に敵陣深くからプレッシングをかけてパスミスを誘発させると、これがオウンゴールとなってリードを広げる。さらに35分、MF高畑智也(4年=滝川二高)がミドルシュートを決めて3-0。ボール保持率でも大きく上回ってハーフタイムを迎えている。

 後半も序盤は立命館ペースで試合が進むが、60分の佐當のシュートはポストに嫌われ、61分にもFW築山隼(1年=久御山高)が決定機をものにできないでいると、ここから紫光クラブに反撃を許すことになる。

 73分、中盤からのスルーパスで抜け出したFW北嶋秀伍(京都教育大)が右足を振りぬいて1点を返すと、その4分後にもMF篠部拓真(びわこ成蹊スポーツ大)からのパスを受けた北嶋がエリア内へ持ち込んでゴールを決めて1点差まで詰めよった。

 圧勝ムードから一転、嫌な展開に持ち込まれた立命館だが交代選手が流れを変える。80分にFW佐々木宏太(3年=作陽高)が放ったシュートはゴールライン上で相手DFに阻まれたが、85分にMF永井健人(4年=立命館宇治高)が左足で蹴りこんで、4-2と試合を決めた。

 後半に反撃を見せた紫光クラブの児島信章監督は「最初の3失点がミスとオウンゴール。崩されていないだけにもったいない」と前半の失点を悔やんだ。さらに「後半立ち上がりのチャンスを決めていれば違ったはず。決定力の差ですね」と振り返っている。

 チームは昨季、関西リーグDivision2で優勝。今季はDivision1に戦いの場を移したが、前半戦を終えて最下位と苦しんでいる。「攻撃でボールを回す時間を増やそうとしているけれど、逆にボールを失ってカウンターからの失点が増えている。失点をせず、その中で取り組んでいることをやっていけば結果は付いてくるはず」と後半戦での巻き返しを図っている。

 立命館にボールを保持された試合展開もあって回数こそ少なかったが、昨年の関西リーグDivision2で最優秀選手と得点王に輝いた篠部は正確なボールタッチとパスでチャンスを演出。「後半は体力的にもきつくなってくるので、ポジショニングを意識しました。いい位置でボールを受けれたし、1点目のように一発のパスでチャンスも作れた。立命館を相手にうまくはまったと思います」と手応えを口にしている。

一方で勝利した立命館の米田隆監督は「前半を終えて、次の試合のことを考えてしまったと思う」と後半の気の緩みを指摘する。攻撃のスピードが上がらず、相手へのプレッシングも前半のようにかからなかった。そんな中で収穫としてあげたのが交代選手の働きだ。

「一週間後には総理大臣杯が始まる。交代選手がどんなプレーするのかを見ようと思って投入しました。彼らは特徴を出して、結果につながった。これを総理大臣杯にもつなげて欲しいですね」と期待を寄せる。

 前期リーグを3位で折り返した立命館は10年ぶりに総理大臣杯への出場権を獲得。最終ラインで攻守に絡んだ池松は「やっと、という思いです。僕が入学した時からメンバーは揃っているのに、なかなか勝てなかった。今年はボールを持つスタイルで結果が出てきたので、このサッカーで日本一を目指したい」と意気込んでいる。天皇杯の出場権を賭けた決勝戦は8月20日と3週間後だ。まずは、ようやくたどり着いた全国の舞台での飛躍を目指す。

(取材・文 雨堤俊祐)

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