[ADIDAS CUP 2016 in SENDAI]「高校1年生の時の気持ちに戻ろうぜ」オフザピッチから変化目指す成立学園が頂点に
選手権での躍進を目指す北海道・東北、関東、北信越の強豪12チームが参加した「ADIDAS CUP 2016 in SENDAI」(8月5日~8日)は成立学園高(東京)が優勝した。成立学園はグループリーグ3試合を全勝、参加12チーム中トップの14得点という成績で首位突破。準々決勝では札幌創成高に2-0、準決勝では佐野日大高をPK戦の末に下してこの時点で優勝が決まった。試合後に坂道ダッシュを行うなど「強化合宿兼ADIDAS CUP」(宮内聡監督)の中で残した結果。大会最終日に行われた開志学園JSC高戦は前後半でメンバーを全て入れ替えて0-1で敗れたが、流れの悪い時間帯を自分たちで変えて相手を押し返すなど強さを示した4日間だった。
主将の左SB西羽開(3年)は「今大会は監督から『相手どうこうじゃなく自分たちのサッカーをしっかりして内容にこだわっていこう』という話をされました。しっかり見て判断して良いゴールもあったので収穫になったと思います。目標として優勝があったので、結果としては良い。夏休み最初の遠征でしたし、スタートとしては良かった」と振り返った。開志学園JSCとの最終戦まではB戦含めて全勝で来ていたというだけに最終戦の黒星は悔しいところ。西羽も「最後の試合ということもあって、疲れとかもあるんですけどそれは相手も同じ。もっと自分たちが回して点取って勝ちたかった。結果負けてしまって悔しいです」と首を振ったが、揃って大会MVPに選出されたFW鈴木龍之介(3年)とFW鈴木亮祐(3年)の2人を筆頭にFW森田裕也(3年)、MF大野泰成(3年)とMF鈴木皓(2年)のボランチコンビなど個々、チームが良さを出した大会だった。
合言葉は「自分たちのサッカーをみんなに見てもらおう」。非常にスピーディーなパスワークをベースに相手を見ながらボールを動かす成立学園は、毎年のように東京トップレベルのチームをつくり上げてきている。13年、14年に2年連続で全国高校総体に出場しているほか、04年夏には全国4強入りも果たしているが、選手権は03、05年度に出場した2度だけ。相手を圧倒するようなパスワークを見せながらシュートを決めきれずに1点差で涙を飲むようなシーンが続いている。
今年の総体予選も勝てば全国出場の決まる準決勝でPK戦敗退。今まで培ってきたものの細かい見直し、オフ・ザ・ピッチでも見直しも目指しているこの夏、宮内聡監督は「『高校1年生の時の気持ちに一回戻ろうぜ』と言っているんですけどね。『あの時の気持ちに戻ってみんなで良いチーム作ろうぜ』と」と選手たちに話したという。1年生時は誰もが先輩たちのために、チームのためにサポートする姿勢があるが、3年生になると慣れてしまって後輩に任せてしまったり、ルーズになって決まった人しかやらないということがあるのだという。1年生、2年生、3年生関係なく、全員がチームのために準備をして、サポートして勝利を目指す。宮内監督はそれによって「この9月からの選手権予選で信頼関係ができて、よりいっそう強い絆になるんじゃないか」と期待する。紙一重の差でもう涙しないために、この夏はオフ・ザ・ピッチのところから全員で変えようとしている。
西羽は「1年生の時は自分たちから率先してやろうとしていた。だから、先輩後輩関係なく自分たち3年生が気づいたこととかやっていければいい。(全員が徹底するのは)難しいんですけど、一つひとつのところが人をつくる。夏のインターハイもPK戦で負けたのでオフ・ザ・ピッチのところから見直して行きたい」と口にする。まだまだ改善は必要。誰かに言われてからやるのではなく、自分たちで考えて行動することはできていない。ピッチ内外でやるべきことを自分たちで共有して実行できるようにならなければならない。それが強さになる。もちろん、継続的に技術練習を行い、よりボールを速く動かす部分や、個でボールを奪い取る部分などレベルアップさせること。そして個々が自立したチームになることで勝敗を分ける軸を引き寄せるチームになる。
双子の弟であるMF西羽拓が市立船橋高の主力として全国高校総体を果たしている西羽は「市船は全国出るの当たり前で、全国出て優勝している。自分たちは意識変えていって全国で勝つチームにならないといけない」。成立サッカーを今年こそ、選手権の全国舞台で披露する。宮内監督は「いつもこういう大会とか練習試合とかいいサッカーをしている、と言われますけれど、強烈な拮抗した雰囲気の中で自分たちのサッカーを見てもらいたい。そのためには代表になるしかない」。選手権を目指す12校が熱戦を繰り広げた4日間。頂点に立った成立学園はまだ半月ある夏休みでさらに個々の力と団結力を磨いて秋を迎える。
(取材・文 吉田太郎)
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【特設ページ】ADIDAS CUP 2016 in SENDAI
主将の左SB西羽開(3年)は「今大会は監督から『相手どうこうじゃなく自分たちのサッカーをしっかりして内容にこだわっていこう』という話をされました。しっかり見て判断して良いゴールもあったので収穫になったと思います。目標として優勝があったので、結果としては良い。夏休み最初の遠征でしたし、スタートとしては良かった」と振り返った。開志学園JSCとの最終戦まではB戦含めて全勝で来ていたというだけに最終戦の黒星は悔しいところ。西羽も「最後の試合ということもあって、疲れとかもあるんですけどそれは相手も同じ。もっと自分たちが回して点取って勝ちたかった。結果負けてしまって悔しいです」と首を振ったが、揃って大会MVPに選出されたFW鈴木龍之介(3年)とFW鈴木亮祐(3年)の2人を筆頭にFW森田裕也(3年)、MF大野泰成(3年)とMF鈴木皓(2年)のボランチコンビなど個々、チームが良さを出した大会だった。
合言葉は「自分たちのサッカーをみんなに見てもらおう」。非常にスピーディーなパスワークをベースに相手を見ながらボールを動かす成立学園は、毎年のように東京トップレベルのチームをつくり上げてきている。13年、14年に2年連続で全国高校総体に出場しているほか、04年夏には全国4強入りも果たしているが、選手権は03、05年度に出場した2度だけ。相手を圧倒するようなパスワークを見せながらシュートを決めきれずに1点差で涙を飲むようなシーンが続いている。
今年の総体予選も勝てば全国出場の決まる準決勝でPK戦敗退。今まで培ってきたものの細かい見直し、オフ・ザ・ピッチでも見直しも目指しているこの夏、宮内聡監督は「『高校1年生の時の気持ちに一回戻ろうぜ』と言っているんですけどね。『あの時の気持ちに戻ってみんなで良いチーム作ろうぜ』と」と選手たちに話したという。1年生時は誰もが先輩たちのために、チームのためにサポートする姿勢があるが、3年生になると慣れてしまって後輩に任せてしまったり、ルーズになって決まった人しかやらないということがあるのだという。1年生、2年生、3年生関係なく、全員がチームのために準備をして、サポートして勝利を目指す。宮内監督はそれによって「この9月からの選手権予選で信頼関係ができて、よりいっそう強い絆になるんじゃないか」と期待する。紙一重の差でもう涙しないために、この夏はオフ・ザ・ピッチのところから全員で変えようとしている。
西羽は「1年生の時は自分たちから率先してやろうとしていた。だから、先輩後輩関係なく自分たち3年生が気づいたこととかやっていければいい。(全員が徹底するのは)難しいんですけど、一つひとつのところが人をつくる。夏のインターハイもPK戦で負けたのでオフ・ザ・ピッチのところから見直して行きたい」と口にする。まだまだ改善は必要。誰かに言われてからやるのではなく、自分たちで考えて行動することはできていない。ピッチ内外でやるべきことを自分たちで共有して実行できるようにならなければならない。それが強さになる。もちろん、継続的に技術練習を行い、よりボールを速く動かす部分や、個でボールを奪い取る部分などレベルアップさせること。そして個々が自立したチームになることで勝敗を分ける軸を引き寄せるチームになる。
双子の弟であるMF西羽拓が市立船橋高の主力として全国高校総体を果たしている西羽は「市船は全国出るの当たり前で、全国出て優勝している。自分たちは意識変えていって全国で勝つチームにならないといけない」。成立サッカーを今年こそ、選手権の全国舞台で披露する。宮内監督は「いつもこういう大会とか練習試合とかいいサッカーをしている、と言われますけれど、強烈な拮抗した雰囲気の中で自分たちのサッカーを見てもらいたい。そのためには代表になるしかない」。選手権を目指す12校が熱戦を繰り広げた4日間。頂点に立った成立学園はまだ半月ある夏休みでさらに個々の力と団結力を磨いて秋を迎える。
(取材・文 吉田太郎)
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