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五輪デビューも悔い DF亀川「自分自身は何もできていない」

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[8.7 リオデジャネイロ五輪 B組第2節 日本 2-2 コロンビア マナウス]

 与えられた時間は10分。負ければグループリーグ敗退が決まるコロンビア戦。後半20分までに0-2と2点のビハインドを背負ったチームは、FW浅野拓磨(アーセナル)とMF中島翔哉(FC東京)の得点で同点に追い付き、勝ち越しゴールを狙っていた。後半35分からピッチに送り込まれ、五輪初出場を果たしたDF亀川諒史(福岡)は対面する相手を警戒しつつも、隙を見ては果敢に攻め上がってゴールを演出しようとした。

 手倉森誠監督から「1点取りに行け」と送り出された亀川。当然、指揮官の思いを理解してピッチに立っており、「2-2で終わらせるわけにはいかなかった」。しかし、ただ攻撃に比重を置くだけではなく、対面する相手をケアすることは不可欠。指揮官からの指示を明かす。

「相手の8番(FWドルラン・パボン)は攻め残りをするので、日本がボールを奪ったときに8番を置いて精力的に前に出て行けということ。左サイドの7番(FWアルレイ・ロドリゲス)がフレッシュだったし、(室屋)成には疲れもあったので、自分は前に出ていってボールを取られたら戻れということでした」

 右SBの室屋が左SBにポジションを移し、亀川が右SBに入る。日本がボールを奪えば敵陣深くまで走り込んでボールを呼び込み、対面する相手との1対1も果敢に仕掛けて、勝ち越しゴールを演出しようと奮闘。守備に回れば自陣まで引き返し、相手攻撃を封じ込めようとした。

 そして、後半アディショナルタイムには得点を演出するチャンスを迎える。MF大島僚太(川崎)のサイドチェンジをフリーで受けると、中央に走り込むFW興梠慎三(浦和)へとパスを送る。しかし、「しっかり折り返していれば得点になるチャンスがあったので、そこは本当に自分の責任だと思う」とボールを合わせることはできずに悔しさを滲ませた。

 目標にしていた五輪のピッチには立ったが、「スタートラインにまずは立てたと思いますが、立っただけで自分自身は何もできていない」と語る。勝ち点1を獲得して決勝トーナメント進出に望みをつないだことで、「これで終わったわけではないので、本当に切り替えていきたいし、こういう舞台に立つだけでなく活躍できるように良い準備をしたい」と気を引き締め直して次戦に挑む。

(取材・文 折戸岳彦)

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