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悔しい気持ちは昨日だけ…DF藤春が「本当に嬉しかった」仲間の言葉

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 誰よりも悔しい思いをしたはずだ。負ければグループリーグ敗退が決まる第2節コロンビア戦に臨んだリオデジャネイロ五輪日本代表は、後半14分に先制を許してしまう。すると同20分にはDF藤春廣輝(G大阪)が、まさかのオウンゴールで追加点を献上してしまった――。

 あれから一夜明け、藤春は気持ちを切り替えてトレーニングに臨んでいた。当然、悔しい思いをしたが、「その気持ちは昨日だけで終わらせるようにした。落ち込んでいたらやっていけないし、切り替えるしかない。一人だけ暗い感じだとチームの空気も悪くなると思うし、周りも気を使ってくれるので」と前だけを向く。

 試合後、そして宿舎に帰ってからは仲間に「気にするな」と励まされ、チームを救う同点弾を叩き込んだMF中島翔哉(FC東京)からは「次は僕にアシストしてね」との言葉。さらにアトランタ五輪グループリーグ第2節ナイジェリア戦でオウンゴールを経験している秋葉忠宏コーチからも「俺も経験したことがあるんだよ。気にすることはない」と声を掛けられた。その一つひとつが、藤春にとって「本当に嬉しかった」。

 仲間のおかげで気持ちは切り替えられた。「あんなオウンゴールをしたら、名前は確実に覚えられましたよね、珍しい名字だし」と苦笑しつつも、「まだ、挽回するチャンスはあるので、次の試合で力を見せるしかない」と気持ちを引き締める。次は、チームを勝利に導く貴重な働きをして、“藤春”の名を日本中に知らしめたい。

(取材・文 折戸岳彦)

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