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4強入りも「まだ通過点」、日本一誓う明治大が大体大に3発勝利:総理大臣杯

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[8.10 総理大臣杯準々決勝 明治大 3-0 大阪体育大 ヤンマースタジアム長居]

 第40回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントは10日に準々決勝を行い、明治大(関東3)と大阪体育大(関西2)が対戦。前半18分の先制点を皮切りに3得点を奪った明治大が3-0で勝利した。

 セミファイナル進出をかけた一戦は序盤から両者、激しくぶつかった。最初に見せ場を作ったのは大体大。MF末吉塁(2年=初芝橋本高)とMF浅野雄也(2年=四日市四郷高)の両翼がスピードを活かした突破で明治大を押し込むと、前半5分には右CKのこぼれ球をPA左で拾ったMF後藤虹介(4年=飛龍高)がゴール前にパスを展開。FW大田賢生(2年=星稜高)がスライディングで合わせに行ったが、わずかに合わない。7分にも相手DFのクリアボールを高い位置で拾った大田がドリブルからシュートを狙ったがサイドネットに終わった。

 対する明治大は、栗田大輔監督が「真っ向から力と力でぶつかっていこうと思っていた」と明かしたように従来のポゼッションスタイルではなく、大体大と同じく縦に速いサッカーを選択。ボールを奪ったら、素早く大体大DFの背後を狙うFW丹羽詩音(4年=大阪桐蔭高)とFW木戸皓貴(3年=東福岡高)へと配給し、大体大ゴールに襲い掛かった。

 序盤は相手の勢いに押された守備も時間経過と共に「行ったり来たりの展開になったけど、そこからどう感じて対応していくかがポイントだと思っていた。FWの選手やドリブルに対して、ピッチの中で対応してくれた」(栗田監督)と調子を上げていく。

 すると、18分には左CKを獲得。ゴール前に入れたボールは一度、相手DFにクリアされてしまったが、DF小出悠太(4年=市立船橋高)が中盤でインターセプト。素早く左前方に運んだボールをDF河面旺成(4年=作陽高)が受けると、ゴール前に入れたパスが相手DFに当たり、先制点となった。

「良い時間帯に得点が生まれたので、だいぶ試合が楽になった」(栗田監督)明治大は25分にも好機を演出。大体大DFのパスミスが木戸の足元に入ると、後方のMF早坂龍之介(4年=浜松開誠館高)を経由し、左中間を抜けたMF道渕諒平(4年=仙台ユース)の下へ。ドリブルでPAに抜け出し、ゴール右隅を狙ったが、GK野坂浩亮(4年=青森山田高)の好セーブに阻まれた。

 1点リードで迎えた後半は逆襲に出た大体大が攻撃の圧力を高めたが、明治大は冷静に対処。「良いサッカーをしようとするとイージーなミスから失点して、流れが変わってしまう。今日は選手たちの気持ちが入っていたので、自分たちのサッカーを貫こうと思っていた」(栗田監督)と前線からのアグレッシブな守りからリズムを作りつつ、前半同様の縦に速い攻撃に間延びした相手の中盤を突くスタイルで好機を伺った。

 策が実り後半5分には、相手エリアの左中間でボールを受けた丹羽がドリブル突破から思い切りの良い右足シュートを叩き込むと、直後の7分にはPA左を抜け出した道渕がゴール前の木戸とのパス交換からゴールネットを揺らし、点差は3点に。以降は次戦以降を見据えて、木戸や道渕をベンチに下げるなど余裕のある戦いぶりでタイムアップを迎えた。

 総理大臣杯前に戦った天皇杯の東京都予選では初戦で立正大に敗れるなど決して、チーム状態は良くなかった。大会に入ってからも1回戦の高知大戦では、開始すぐに先制点を献上してからの3得点で逆転勝ち。続く2回戦の東海学園大戦もPK勝ちと苦しい試合が続いている。

 それでも、栗田監督は「全員で攻撃をして、全員で守備をしよう。うちは強いチームじゃないということをもう一回、みんなで認識した。しっかり走るとか、戦うとか基本的なことを全員がベクトルを合わせて大会に挑めているのは大きい。苦しい戦いを3つ勝てているので、チームとして(勢いに)乗ってきたかなという手応えはある」と口にする。

 道渕が「今回の試合もまだ通過点だとチームのみんなが思っている。準優勝は(過去3年で)2回しているので、優勝以外は良い成績とは言えないし、優勝しないと意味がない」と意気込むように、選手たちは日本一しか見えていない。頂点までの残り2試合も明治大らしい戦いで、白星を狙っていく。

(取材・文 森田将義)
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