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[SBS杯]次回五輪の主役候補たち、U-19日本代表は攻守で力示すもコスタリカに惜敗

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[8.11 SBS杯国際ユース第1日 U-19日本代表 0-1 U-19コスタリカ代表 藤枝総合]
 
 東京五輪候補生たちは黒星発進――。40回目の記念大会である2016 SBSカップ国際ユースサッカーが11日、藤枝総合運動公園サッカー場で開幕した。97年生まれ以降の20年東京五輪世代で構成されたU-19日本代表は、U-19コスタリカ代表と対戦。0-1で敗れた。

 五輪代表の戦いがリオで終わりを告げたこの日、次回五輪の主役候補たちがアグレッシブな戦いを見せた。FW岩崎悠人(京都橘高)は「朝、(五輪代表の)試合を見ていたんですけど、自分たちよりも身体も、背もある相手にどうやって日本の良さを出していくか。もっともっと細かいところを詰めていけないと思いました」と語る。4年後への思いをそれぞれ抱いた選手たちが、臨んだSBSカップ初戦。内山篤監督は「攻守ともにアグレッシブにトライはしてくれたと思います。選手たちは最後まで1点を取ろうという意欲、野心を出してくれたと思います」と評したように攻守両面で力を発揮した日本だが、結果は0-1での敗戦となった。

 今回のU-19日本代表はGK小島亨介(早稲田大)を除くと、U-18世代以下のメンバー。今年10月に開催されるAFC U-19選手権(17年U-20W杯アジア最終予選)の主力選手たちを欠いており、今回のSBS杯は「底上げという狙い」(内山)を持って臨んでいる大会である。

 その初戦で4-4-2システムを組んだ日本の先発GKは小島で、右SB長谷川巧(新潟U-18)、CB濱大耀(札幌U-18)、CB杉岡大暉(市立船橋高)、左SB古賀太陽(柏U-18)の4バック。中盤は梶山幹太(名古屋U18)と原輝綺(市立船橋高)のダブルボランチで右MF菅大輝(札幌U-18)、左MF安井拓也(神戸U-18)。2トップはゲーム主将の吉平翼(大分)と岩崎がコンビを組んだ。

 日本は3分、左サイドを抜け出した岩崎のラストパスをファーサイドで受けた吉平が決定的な右足シュート。6分には右サイドを突破した岩崎の折り返しに安井が飛び込む。梶山、原のダブルボランチが球際で体を張ってマイボールにしていた日本は8分にも安井のスルーパスで岩崎が独走。だがGKと接触しながら放った左足シュートは枠右へ外れてしまう。立ち上がりは攻守においてアグレッシブだった日本の良さが光る試合だった。だが、岩崎が「攻撃も背後を狙えていたし、守備もしっかりハマっていたのでいい流れだったんですけど、そこで勢いつける得点が取れなかったのは痛いですね」と振り返ったように、先制機を逃した日本は徐々に吉平への縦パス、岩崎の抜け出しに対応されるようになり、加えて対人の守りが強かったコスタリカに1対1の仕掛けを止められるなどチャンスの数が減ってしまう。

 逆にカウンターからコスタリカのスピードに乗ったアタックを受けるようになり、前半終了間際にはFWジェルソン・トーレスにDF3枚が剥がされて決定的なシュートを放たれた。これはGK小島が好セーブで阻止し、直後にも小島の好守によって失点にはならなかったものの、最終ラインが再び突破されてしまう。個々が球際の勝負で健闘していた日本だが、果敢に仕掛けてくる相手に苦戦するシーンも散見された。

 互いに先制点を狙い合う攻防戦となった後半。日本は10分、こぼれ球を拾った岩崎が強引に持ち込んで右足を振り抜いたが、ゴールマウスに阻まれてしまった。日本は11分に吉平に代えてFW中村駿太(柏U-18)、16分には梶山に代えてMF針谷岳晃(昌平高)をピッチへ送り出したが21分、コスタリカFWブライアン・ロハスのシュートがDFに当たってコースが変わり、不運な形で先制点を許してしまう。

 先制したコスタリカは前線からの守備を加速。日本は原らがよくボールに絡みながら前進しようとするが、これを剥がすことができずにボールを失って押し戻されてしまう。日本は28分に菅に代えて田川亨介(鳥栖U-18)を投入。岩崎を右MFへ移すと30分、針谷の縦パスから岩崎が繋いで安井がフィニッシュに持ち込む。さらに33分には中村の左クロスを田川が合わせたが、得点には至らない。34分に安井に代えて野田樹(神戸U-18)をピッチに送り出した日本は39分、左MFへポジションを移していた針谷が中央方向へのドリブルでFKを獲得。これを自ら右足で狙ったが、ニアサイドを捉えた一撃はGKに阻まれ、そのまま0-1で敗れた。

 この日、リオ五輪世代からバトンを受け継いだ東京五輪世代。岩崎は「4年後はやっていたら、あっという間だと思いますけれど、とにかく、今回の遠征は残り2試合あるんでそこでやれることをしっかりやって、まずはあすの試合勝利で終えたいですね」と目の前の試合、トレーニングに全力で臨んでいくことを誓った。4年後までにどれだけ多くの経験を積んで、世界で勝つための力をつけることができるか。今回の代表選手たちをはじめ、東京五輪を目指す同世代全ての選手たちが日々成長を遂げて、その時に備える。

[写真]前半8分、スルーパスで抜け出したU-19日本代表FW岩崎が左足シュート

(取材・文 吉田太郎)

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