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旗手が4戦連続弾&名古が追加点、順大が日体大下して20年ぶりVへあと1勝!:総理大臣杯

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[8.12 総理大臣杯準決勝 日本体育大0-2 順天堂大 ヤンマースタジアム長居]

 第40回総理大臣杯全日本大学トーナメントの準決勝が12日に行われた。第1試合では順天堂大(関東8)が日本体育大(関東6)を2-0で退けた。

 決勝行きのチケットをかけた一戦は序盤から拮抗した展開が続く。最初に仕掛けたのは順天大。「暑い中でも、攻め急がずボールを動かせた。自分たちのやろうとするボールをサッカーはある程度できたと思う」と堀池巧監督が振り返ったように持ち前のテクニカルなスタイルで試合を支配すると、前半6分にDF坂圭祐(3年=四日市中央工高)が自陣から縦パスを展開。FW浮田健誠(1年=柏U-18)が競り合ったこぼれをFW旗手怜央(1年=静岡学園高)が拾い、ゴールを狙ったが枠を捕えることができない。

 直後の7分には日体大のDF福田圭佑(3年=横浜FMユース)が前線へロングボールを配給。FW太田修介がPAに抜け出したが、並走したDF村松航太(1年=清水ユース)に阻まれた。23分にはMF名古新太郎(2年=静岡学園高)のインターセプトから順天堂大のチャンスが到来。ニアの旗手にボールを預けると、3列目から駆け上がったMF室伏航(3年=市立船橋高)がゴールを狙ったが、GK長谷川洸(3年=東京Vユース)がきっちり防いだ。

序盤はテンポの良いボール回しでピッチの幅を使った順天大がリズムを掴んだが、日体大は統率のとれた守備できっちり対応。奪ってからは「相手のラインが高かったし、太田は良い飛び出しを見せてくれるので狙っていこうと。MF川戸(大樹)との対角線上のラインも最近よく使っているので、見えたら大きく展開しようと思っていた」(高野)とスペースに長めのパスを通し、攻撃の機会を伺う。

 41分にはMF大石奨悟(4年=東海大五高)の縦パスを受けたMF渡邊龍(2年=FC東京U-18)がドリブルでゴール前に進出。切り替えしでマーク2人をかわしてシュートを放ったが枠の上へ。43分にもDF高野遼(4年=横浜FMユース)の左足キックが前線に入ると、相手DFのクリアを掻っ攫ったMF川戸大樹(神戸U-18)がゴールを狙ったがゴールネットを揺らせない。

 試合が動いたのは前半終了間際のアディショナルタイム2分。「ビルドアップの途中までは上手く行くけど、最後の崩しで決めきれなかった」(堀池監督)順天大が、MF貫場貴之(3年=富山一高)からオーバーラップしたDF原田鉄平(3年=静岡学園高)へと繋ぎ、右サイドを攻略すると、相手エリアの右中間で受けた浮田が素早くニアへパスを展開する。ここから、フリーで受けた旗手がドリブルで前進すると、思い切りの良く放った一撃がゴール右上に突き刺さり、1点リードで試合を折り返した。

 後半12分に原田、貫場と右サイドを繋いでゴール前に入れたボールをダイレクトで浮田が狙うなど立ち上がりは順天堂大が見せ場を作ったが、徐々に流れは日本体育大へ。14分には左サイドでボールを持った渡邊のパスが相手DFとGKの間へ入ると、フリーで抜けたFW平川元樹(2年=札幌U-18)がGKとの1対1を迎えたがGK中村研吾(3年=四日市中央工高)が冷静にストップ。

 19分にも中盤からのスルーパスを受けた渡邊がフリーでPAまで持ち込んだが中村がまたしてもブロックする。耐える時間が続いた順天堂大も35分に左サイドを駆け上がったDF毛利駿也(3年=山梨学院高)がPA左からシュートを放つなど最後まで攻撃の姿勢を見せると、終了間際にはFW松島奨真(3年=桐生一高)のパスを受けた名古が2点目をマークし、直後にタイムアップ。順天堂大が日本一に王手をかけた。

 これまで5回、総理大臣杯を制している順天大だが、大会の出場は2000年以来16年ぶり。堀池監督も選手として、チーム史上2度目の優勝を手にした1987年大会の出場権獲得に一役買ったが、自身は代表活動によって大会には参加できず、タイトルには飢えている。

 だが、チームに当時を知る者はおらず、実質的に総理大臣杯初出場同然。ここまで食事やトレーニングなど、全て手探りのまま4試合を消化した疲労も否定できないが、「我々は何一つ手にしたわけではない。もう一試合、良い試合をやって、タイトルを順大に持って帰るのが使命だと思う。浮かれた感じも見えるけど、ロッカールームでもう一回締めて決勝に挑みたい」と目の前に迫ったタイトルに向けて、気を引き締め直した。

(取材・文 森田将義)
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