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「必死でした」広島DF千葉が絶体絶命のピンチ救うスーパークリア

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[8.13 J1第2ステージ第8節 湘南1-2広島 BMWス]

 絶体絶命のピンチを救った。先制を許しながらFWピーター・ウタカ、MF丸谷拓也のゴールで2-1と逆転に成功したサンフレッチェ広島だが、その後は湘南の反撃を受けた。逆転直後の後半22分には浮き球のパスに抜け出した湘南FWジネイがGKとの1対1からループシュート。しかし、懸命に戻ったDF千葉和彦がゴールラインぎりぎりでクリアした。

「(ジネイは)自分のマークだったし、抜け出されたのは自分のミス。ループで打ったので、間に合うと思ったし、必死でした」。起死回生のジャンピングクリアを見せた千葉はその勢いのままゴールマウスの中へ倒れ込んだが、ボールはしっかりとゴールの外へ蹴り出した。ゴールラインぎりぎりのクリアだったが、「自分の中で(ゴールラインを)割ってない手応えがあった」と胸を張った。

 失点の責任も感じていた。前半20分、湘南はGK村山智彦のロングフィードをジネイがDF清水航平に競り勝って頭で落とし、FW端戸仁が千葉を背負いながら体を反転させて左足を振り抜いた。PA手前からの豪快なボレーシュート。千葉は「あそこは自分がカバーしないといけなかった」と唇をかんだ。

 DF塩谷司がオーバーエイジとしてリオデジャネイロ五輪に参加し、DF水本裕貴、DF佐々木翔は負傷離脱中。CBが手薄な緊急事態に本職はウイングバックの清水が3バックの一角で起用されていた。森保一監督は「ジネイと競ったのは清水だったが、勝てなかったのはある意味、仕方ない。(競り合いのあとの)セカンドボールをしっかり拾うことでああいう失点をしないようにしないといけない」と清水を責めず、千葉も「(清水)航平はあのシーン以外は全部勝っていた」とかばった。

 湘南の猛攻にも粘り強く耐え、体を張って跳ね返した広島守備陣。「ケガ人やオリンピック、移籍で選手が抜ける中、チーム全体で戦ってきた意味は大きい」と千葉が話すように、塩谷とアーセナル移籍のFW浅野拓磨がリオ五輪のためチームを離れてからも3勝1敗と、しっかり勝ち点を積み上げてきた。

 五輪代表はこの日帰国し、塩谷も次節20日の甲府戦から戦列に復帰する見通しだ。「ここからまた切磋琢磨して戦っていけば、もっといいサッカーができる自信がある。連勝を続けて、上位との勝ち点差を詰めていきたい」。千葉はシーズン終盤の追い上げを力強く誓った。

(取材・文 西山紘平)

●[J1]第2ステージ第8節1日目 スコア速報

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