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[MOM396]明治大MF道渕諒平(4年)_甲府加入内定MFが「嬉しいよりラッキー」な決勝弾

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[8.14 総理大臣杯決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム]

 まさにファーストチャンスをものにした。明治大順天堂大に1-0で勝利し、初優勝を遂げた。過去に二度も決勝の舞台に立ちながら、涙を呑んできたが待望の日本一。決勝点を決めたのは来季のヴァンフォーレ甲府加入が内定しているMF道渕諒平(4年=仙台ユース)だ。

 得点が生まれたのは前半15分、相手のボールを敵陣内で奪ってのショートカウンター。DF河面旺成(4年=作陽高)がカットし、前へ詰めた道渕が受けると外へはたく。MF富田光(2年=中京大中京高)がマイナスに折り返し、リターンを道渕が右足でシュート。ゴールネットを揺らした。

 河面からパスが来た時点では「自分でターンすることも考えた」というが、「敵がちょっと来ていたのと、富田がいい感じで走ってくれたので、そこを簡単に使って」とパスを選択。「その時点でリターンをもらうことを考えていて。富田がいいパスをくれたのであとは触るだけでした」。冷静に右足で流し込んだ。

 この1点を守りきった明治大は1-0で勝利。今大会は先制されて追う展開が多かったが、この日はブロックを敷いて跳ね返しては逃げ切った。道渕は大学1年生だった2013年の準優勝時はスタンド観戦。入学から約4か月しか経っていないこともあり、「すごいチームに来たんだな」とどこか遠くのことのように感じていたという。昨年の準優勝時は後半23分からの途中出場。0-2での敗戦に「個人としてチームに大きな影響を与えられなかったのですごく悲しい気持ちになりました」。

 それでも“忘れ物”を取りに戻ってきた今回の決勝で、日本一の称号を手にした。明治の8番は「今まできついこととか天皇杯予選で負けたり、きつい練習があったんですけど、チーム全員で苦しみながらもやってきたことが報われて、嬉しいです」と微笑む。

 とはいえ自身のゴールが勝利につながったことが嬉しいのかと思いきや、謙虚な姿勢は崩さない。「こういう舞台で点が取れて嬉しいですけど、たまたま決勝で僕が決められただけなので。今まで僕の力で勝ったわけではなく、詩音(丹羽)だったり、DFラインが奮闘してくれて、ここまで来れたので。(得点は)ラッキーという思いでした。嬉しいよりラッキーでした」と語った。

 来季の甲府加入が内定している“プロ予備軍”ゆえに、後期リーグなどでは一段と注目されることが予想される。「まだまだプロとして見られて、“すごいな”と思われるようなパフォーマンスはできていないので。もっと得点に絡むだけではなく、90分を通じてのクオリティーを上げていきたい」。道渕は最後まで貪欲な姿勢を崩さなかった。

(取材・文 片岡涼)
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