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「こじ開けないといけなかった」、順大MF旗手怜央は5戦連発ならず準Vに

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[8.14 総理大臣杯決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム]

 強烈なインパクトを残した。しかし最後の結果は準優勝。順天堂大のMF旗手怜央(1年=静岡学園高)は「自分の力のなさを痛感した試合でした」と唇を噛んだ。

 1回戦から準決勝まで4試合連続ゴールを記録。しかし期待されるなかで迎えた決勝は無得点。チームも前半15分に失点しての零封負けとなった。開始9分にはPA左から自ら仕掛け、シュートも放ったがサイドネット。その後は執拗なマークに苦しみ、いい形でボールを受けることはできず。終了間際のアディショナルタイムには裏へ抜け出たがオフサイド。試合を通じては、1本のシュートに終わり、悔しい幕切れとなった。

 徹底マークに苦しんだ旗手は「それでもこじ開けないといけなかった」と苦い表情。「点を決めていたので警戒されるのは、わかっていたんですけど。そんななかでも、点を決めていかないといけないというのが、こういうレベルの高いところだと思う。もっと力をつけないといけないなと思いました」と話した。

 順大の堀池巧監督は「関東のなかで彼の強さは分かっていた。関西でやっても彼のキープ力やコンタクトプレーを怖がらないところは、示すことができた」と評価しつつ、「一人で決めきれないときに周りの人を使えるような選手になれれば。自分でいくのはもちろん、両方使えるのがチームのためになる」と先へ目を向けた。

 今春に静岡学園高を卒業したばかりのルーキーだが、早くも大学サッカーで頭角を現した。静学の旗手から順大の旗手へ。今大会でしっかりと示し、多くの人に印象付けた。

「自分が点を決めて勝つという思いでいたし、この大会が始まる前も優勝すると言っていたんですけど。やっぱりそんな簡単には勝たせてくれないし、そんな簡単に点は決めさせてくれないんだという思いでいっぱいです」

 悔しげな表情で語った旗手。「これから後期リーグ戦が始まる中で、マークされたりはあると思いますが、それをかいくぐれるような力だったり、ボールのもらい方を練習で身に着けて。もっと上で勝負できるようにやっていきたいです」。そう話すと顔を上げた。

(取材・文 片岡涼)
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