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チーム内得点王、明治大FW丹羽詩温「今日一日の後悔はない」

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[8.14 総理大臣杯決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム]

 清々しい表情だった。明治大は順天堂大に1-0で勝利し、総理大臣杯初優勝を果たした。今大会でのチーム内得点王はFW丹羽詩温(4年=大阪桐蔭高)。準決勝までの4試合で3得点を挙げ、決勝の舞台へチームを導いた。

 日本一となった丹羽は「11人全員が粘り強く戦えたことが優勝につながった」と胸を張る。大阪桐蔭高出身の丹羽にとっては、“凱旋試合”だった総理大臣杯。家族や友人、かつての仲間などが見守るなかでの戴冠に「数え切れないほどの自分を支えてくれた人が会場に来てくれて。会場に来れなかった人も電話やメールで頑張れと連絡をくれた人もいた。チームメイトも東京から応援に来てくれて、そういう人たちと喜びを分かち合えたことが嬉しい」と微笑む。

 この日の決勝戦。前半36分には右サイドから持ち込んでの強烈なミドルシュートもみせていたが、相手GKの好セーブに泣いた。90分を通じては2本のシュートに留まり、後半20分に途中交代。決勝の大舞台でこそ不発だったが、そこに後悔はない。

「これまで自分の得点でチームに貢献できているという実感が少しありましたし、決勝も自分の得点で優勝に導けたら思い残すことはなかったと思います。たしかに得点がなかったことは、次への課題にはなりますが……」と話した丹羽はこう続けた。

「今日は何よりもチームとして優勝することが一番だったので。今日一日の後悔というところはないです」

 過去、そして現在の自分を支えてくれる大切な人たち。そんな人たちの前での戴冠は格別だった。晴れ姿を見せられたことは何よりもの恩返しにもなったはずだ。決勝の舞台で見つかった“課題”は、一旦そっと胸にしまい、まずは感謝の気持ちを胸に日本一を味わった。

(取材・文 片岡涼)
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