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「4年生のために」、明治大の中盤司るMF柴戸海はチャレンジ精神貫く

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[8.14 総理大臣杯決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム]

 戦う姿勢、挑んでいく姿勢を最後の瞬間まで貫いた。明治大MF柴戸海(3年=市立船橋高)はフル出場で初優勝に大きく貢献した。ダブルボランチの一角に入り、冷静にパスを配給しただけでなく、相手の攻撃の芽を摘むなど守備でも仕事を果たした。

 1-0とリードした後、明治大はブロックをつくり、順天堂大の攻撃を跳ね返した。タイトル奪取という目標の下、場面によっては自陣に引いて守備を固める潔さもみせた。そんななか柴戸は連戦の疲労をみせず、最後まで運動量を落とすことなく走り抜いた。

 後半37分には相手に右サイド深く切り込まれてはピンチを招く。明大守備陣がコーナーに逃れようとするもクリアミス。こぼれを拾われ、守備の枚数少ないPA内へ右クロスを入れられた。しかし、ゴール前へ詰めていたのは柴戸。冷静にヘッドでクリア。即座に手を叩いて味方を鼓舞した。

 ピンチと見るや、果敢にチャレンジしていく姿勢。攻めの守備を身体で示した。紫紺の中盤を司る3年生MFは「あの時間帯は難しかったです」と耐える場面の続いた終盤を振り返り、「どんな状況でも冷静に判断して、決勝の中でもチャレンジしていくべきかなと思いました。自分の成長やチームの勝利のためを考えないといけない、そのためにああいう(前へ出る)判断になったのかなと思います」と語った。

 先輩たちの背中を追ってきたMFだが、3年生となった今季は堂々とした佇まいで中盤に君臨。まさに主軸としてチームを支える。「大学に入って初のタイトル。緊張もありましたけど、みんな仲間と声をかけあって、4年生のためにという気持ちがあった。徐々に硬さも取れてからは、いい動きもできたかなと思います」。3年生MFは尊敬する先輩たちとのタイトル獲得に安堵の表情を浮かべていた。

(取材・文 片岡涼)
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