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[ADIDAS CUP 2016 in OSAKA]温い雰囲気、自力で一掃!短期間で立て直した綾羽が今冬の旋風へ弾みのV!!

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[8.17 ADIDAS CUP 2016 in OSAKA 綾羽高 3-0 帝京大可児高 J-GREEN堺]

 北海道、関東、東海、関西の強豪12校が秋、冬の戦いへ向けて力を磨いた「ADIDAS CUP 2016 in OSAKA」は大会最終日の17日午後、決勝戦を行い、ともに全国高校総体出場校の綾羽高(滋賀)と帝京大可児高(岐阜)が激突。岸本幸二監督が「チームらしくなってきている」と評した綾羽が3-0で快勝して優勝を飾った。

 3日間の戦いを締めくくるファイナルは立ち上がりから互いにテンション高い攻防戦となった。序盤、球際での強度で相手を上回った帝京大可児はMF福田航希(3年)がスイッチ役となってショートコンビネーションから打開しようとする。これに対し、綾羽も徐々に中盤でボールを奪いきって攻撃に繋げる回数を増加。10分にはFW菅河玄我(3年)が決定的な右足シュートを放ち、またいずれも抜群の突破力を持つ菅河やMF藤田昂陽(2年)がショートカウンターから一気に局面を破って縦へ切れ込んでいく。

 帝京大可児は最終ラインでCB笠嶋哲太(2年)が1対1での強さを見せ、CB山出旭(3年)も粘り強い対応を見せるなど何とか失点を逃れていた。だが綾羽は26分、MF坪井直輝の縦パスから右エンドラインまで切れ込んだMF小西謙太朗(2年)がクロス。GKが処理しきれずにファーサイドへ流れたボールを「右サイドからいいクロスが上がってくることがあるので、信じて行きました」という藤田が右足でゴールへ押し込んだ。綾羽は畳み掛ける。30分、左サイドで一気に加速して抜け出した藤田のラストパスをファーサイドの菅河が難なく押し込んで2-0とした。

 帝京大可児もアディショナルタイム、福田の直接FKのこぼれ球に山出が反応するが、シュートは枠外。逆に綾羽は後半立ち上がりから菅河の鋭い抜け出しなどで攻めこむ。そして6分、バイタルエリアで前を向いたエースFW西尾和真(3年)がスルーパス。ファーストタッチの決まった藤田がGKとの1対1から左足でゴール左隅へ蹴り込んで3-0とした。

 この日の綾羽は前日よりも攻撃から守備への切り替えが速く、中盤で坪井やMF中井準人(3年)がボール奪取に貢献。最終ラインでは注目CB野々村鷹人(3年)がその高さで帝京大可児の攻撃をシャットアウトした。一方の帝京大可児もGK川地颯馬(3年)の好セーブによってこれ以上得点差が開くことを許さない。だがMF浅井泰生(3年)が「空中分解してしまった。チームの中でやりたいことがバラバラになってしまった。距離とかも大分ズレて、パスも繋げられなかった」というように、なかなか意図の合った攻撃をすることができない。それでも18分、浅井のスルーパスから交代出場MF熊田進之介(3年)が抜け出したが、シュートがGK大林大地(3年)に触られると、ゴールラインすれすれでCB川崎凌輝(3年)にクリアされてしまう。終盤にもMF森田拓実(3年)のサイドチェンジからSB西津邦彦(3年)の右クロスをMF上野遼太郎(3年)が合わせたが、シュートは綾羽DFがブロック。左SB中地将梧(3年)や右SB吉井孝一(3年)ら含めてハードワークを継続した綾羽は終盤、選手の入れ替えで隙も生まれていたが、それでも攻守で強さを見せつけて参加12校の頂点に立った。

 大会初日に2連敗というスタートだった綾羽。だが、これまで互いが厳しく指摘しあうことでチームを高めてきた綾羽は、総体県予選優勝、全国大会での健闘と好結果が続いたことで温くなってしまっていた雰囲気を一掃する。大会2日目以降は原点に戻り、“言い合い過ぎる”ほどの声の掛け合いでチームを引き締め直してきた。野々村は「1日目に2敗してチームとして(これまでの好結果などから)リセットして、2日目からもう一回原点から戻って攻守の切り替え、ハードワーク、球際というのを自分たちは軸にしているので、そこからもう一度見直してやっていこうとやってきた」。加えて一時セカンドチームに降格していた主力選手たちも大会2日目から合流。藤田は「『アディダスカップはリセットやから球際からやれ』と言われていた」というように、全員がやるべきことを徹底した。そのチームについては岸本監督も「この辺まで戻ってもらいたいというところまで彼ら自身で、短期間で戻ってきた」と評価していた。

 滋賀を勝ち抜くためにピッチ内では攻守の切り替え、ハードワーク、そして球際を、また主力、控え関係なく厳しく言い合う雰囲気を作り上げてきた。「これくらいやらなければ勝てない」(岸本監督)というレベルを自分たちの力で取り戻した綾羽は、これから小さな積み重ねを繰り返して選手権で勝つチームをつくり上げていく。野々村を中心とした守備陣や、前線の強力アタッカー陣など個々のレベルも高く、岸本監督も「全国で勝てないチームではないと思っている」と潜在能力を認める世代。その潜在能力を厳しい雰囲気の中で高めて、綾羽は選手権の滋賀予選を突破して全国で勝つチームになる。

(取材・文 吉田太郎)
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