[8.17 ADIDAS CUP 2016 in OSAKA 綾羽高 3-0 帝京大可児高 J-GREEN堺]

　17日、「ADIDAS CUP 2016 in OSAKA」の大会MVPに当たる個人賞「X賞」と「ACE賞」がそれぞれ発表され、「X賞」には優勝した綾羽高のCB野々村鷹人(3年)が選出された。アディダス社製のスパイクから名づけられた「X賞」のパネルを掲げた野々村は「初めてもらったので嬉しいですけど」と前置きした後、「まだできて無いことが多くて、結果は3-0だったんですけど失点してもおかしくない場面が結構多かった。(決勝も空中戦で)勝てる回数は相手よりも多かったかもしれないですけど、一回も負けたくないというのがある。クリアするのは全国でも強い選手がいる。(競り勝つだけでなく、頭で)前につけるのが課題だと思います」と反省の言葉を連発していた。

　登録183cmの長身CBは空中戦での抜群の強さに加え、守備範囲の広さ、1対1の強さも兼ね備える。G大阪の育成組織で指導していた経歴を持つ岸本幸二監督が「代表で1回見てもらいたい。見てもらって、評価してもらうことが、彼の伸びしろにつながる。そういうチャンスがあってもいい選手だと思う」というほどの存在。指揮官が滋賀ナンバー1、そして関西屈指のCBに推す野々村は今大会を通して空中戦での強さが際立ち、チームを締める声、素早いカバーリングも準決勝、決勝での無失点勝利をもたらしていた。

　今夏の全国高校総体では名門・星稜高と激突。エアバトルについては「どの位置に入るか速く判断して、高い打点でヘディングする。ヘディングはかなりやれた手応えがある」という出来で1対1も本人はほとんどを止めることができたと感じている。だが、相手の注目FW窪田翔に最後の最後で1点を奪われて0-1で敗退。「フィジカル面だったりを鍛えていかないといけない」と感じた。全国トップレベルを体感したDFはまだまだやらなければならないことが多いと感じている。だが同時に自信も。そのCBは同世代の代表チームへの挑戦心も強く持っている。「戦っていきたい意志はある。見てもらえるならば、ぜひ見てもらいたいというのもある。でもそこで、いいプレーできるように日頃から力をつけておかなければダメ」

　彼が目標に掲げるのは同世代でナンバー1と言われるCBだ。昨年は高校ナンバー1と言われたDF野田裕喜(現G大阪)であり、現在は高校日本一・市立船橋高のU-19日本代表コンビ、CB杉岡大暉とCB原輝綺を意識している選手として挙げる。特に自身と同じ左CBを務める杉岡は追いつき、追い越したい選手だ。だが、「今日なんかだとまだフィードの失敗の数がまだ多い。高校生ナンバー1の杉岡とかにはまだまだ及ばないので練習していきたい」。目標が高いだけにまだまだ満足することはない。関東の強豪大学も注目するDFは時間がかかっても貪欲に成長を遂げてまずは同世代のトップに少しでも近づく。

(取材・文 吉田太郎)

---

▼関連リンク
【特設ページ】ADIDAS CUP 2016 in OSAKA