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[MOM1854]ルーテル学院MF谷本玲弥(3年)_コツコツと役割全うした献身のボランチ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.18 ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA ルーテル学院高 1-1(PK7-6)西京高 グローバルアリーナ]

 ルーテル学院高の小野秀二郎監督は中盤で奮闘したMF谷本玲弥(3年)について「精神的支柱。守備のバランスを取り続けてコースを限定してくれた。中盤で守備ラインが崩れないようにやってくれたし、苦しい時間帯でキレずに2点目のピンチを消し続けてくれた」と賞賛していた。1点を追うルーテル学院は相手の最終ラインに仕掛けるシーンを増やしながらもなかなか1点を奪うことができなかった。だが、焦れずに、中盤で献身的にマイボールの時間を増やしたMFの力もあってルーテル学院は終了間際に同点ゴール。PK戦を制して3位の座を勝ち取った。

 前線からのプレッシングを掻い潜ってボールを進めようとする西京高の攻撃を食い止めた。「先に触ってウチのボールにすれば優位になると思った。こぼれ球を(自分と三上宗一郎の)両ボランチが先に触ればいい方向に持っていけると思っていた。拾えたから厚みを持たせられたと思います。あと、(相手の)FWと中盤の間にスペースができていたので、そこで顔を出して縦パスと背後へのボールを供給することを意識していた」。終盤に向かうに連れてその存在感は高まっていった。

 伝統の「オールプレス」を武器とするチームは全体的に走力の高い選手が多い。だが谷本は「足は速くないです」と苦笑し、チームメートたちも共通認識しているようだ。それでも「速くないので走られる前に潰すというか。空中戦とかフィジカルの要素で上回っていけるように意識している」というMFは相手の動きに先んじてボールに反応し、身体を張った動きで役割を全うしている。

 課題を改善してより、チームに貢献する。「守備面はゴールキックの競り合いだったり、後ろにリスクかけないように自分が弾いて最終ラインを楽にしてあげること、カバーリングで中に切れ込んだ選手を潰したりすることを意識しています。でも、スプリントで攻撃にかけた時にゴールが少ないのでそこが課題だと思っています」。ベルギー代表MFラジャ・ナインゴラン(ローマ)を憧れの選手に挙げるMFは選手権へ向けて「まだ時間はあるっていう見方もできるんですけど、自分的にはあまりないと思う。一つひとつのトレーニングマッチだったり、一日一日の練習でどれだけやるかが勝つための要素。地道にコツコツ課題を改善してチームとして成長して、個人のスキルも上げていきたい」。仕事をやり遂げても、すぐに次を見据えていた献身のボランチ。目立たなくてもチームを縁の下で支え続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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