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[関西U-16~Groeien~]1位2位対決で神戸弘陵撃破!興國が開幕8連勝で2連覇達成!!

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[8.25 関西U-16~Groeien(育てる)~2016第8節 神戸弘陵高 1-4 興國高 伊勢ヴィレッジA]

 25日、関西地域の強豪10校が長期にわたるリーグ戦を通して、U-16選手の育成および指導者のレベルアップを図る「関西U-16~Groeien(育てる)~2016」第8節が行われ、7戦全勝で首位の興國高(大阪)と勝ち点5差の2位・神戸弘陵高(兵庫)が激突。4-1で勝利した興國が1試合を残して2連覇を達成した。

 ライバルたちからターゲットにされる中で堂々の2連覇達成。興國の風巻和生コーチは「相手が先に行ったら、僕らはもう一歩先に行く。それがお互いの成長になる」と語った。近年、立て続けにJリーガーを輩出し、全国クラスの実力を評価されている興國はGK岸夏駆が「僕らは絶対に負けずに全勝にこだわってきた。ここ勝って全勝したかったし、勝ちにこだわっていました」というように、引き分けでも優勝の決まる首位対決で勝ちに行って勝利。圧巻の開幕8連勝で「関西U-16~Groeien(育てる)~2016」の頂点に立った。まだAチームは良さを消しに来るチームに苦戦し、全国舞台に立つことができていないが、1年生たちはライバル以上に成長を遂げて来年、再来年に目標を達成するつもりでいる。

 神戸弘陵戦は立ち上がりに先制点を挙げた。5分、FW米田壮吹がPAへ侵入。「ドリブルで誰にも止められない。(昨年の野洲のエースだった)村上魁選手みたいになりたい。(このシーンでは)ダブルタッチしたらGKが飛び込んでくるなと思った。かわしたら得点やし、かわせなくてもPKになる。狙い通りでした」というプレーでPKを獲得する。これを10番FW起海斗が左足で決めた。

 GKからビルドアップして右の技巧派SB鈴木裕斗やMF池端真矢、MF石丸海、MF加藤優太らがボールを繋ぎ、スピードとアイディアを交えた崩しを見せる興國に対し、森洋平コーチが「ウチはボールを失わないことが守備になる」という神戸弘陵もMF高野裕維やMF上野陽斗を中心に細かいショートパスで相手の厳しいプレスを剥がしてボールを前進させていく。そして左SB竹内淳朗の突破も交えた攻撃から得点ランキング首位のFW深水亮輔らがゴールを狙った。

 その神戸弘陵は後半2分、FW中濱悠斗(兄は昨年の主将で現びわこ成蹊スポーツ大のDF中濱颯斗)の左足FKから上野が同点ヘッドをねじ込む。試合を振り出しに戻したが、興國は9分に抜け出した加藤がGKを引き寄せてFW古川大樹へパス。これを古川が難なく決めて2-1とした。

 ボール支配の時間を高めた神戸弘陵だが、その前に興國GK岸が立ちはだかる。18分に中濱が強引に打ち込んだ左足シュートをセーブすると、こぼれ球に飛び込んだ深見のシュートもはじき出す。この後、互いにチャンスをつくり合う中で特に目立ったのが岸やCB芝田将ら興國守備陣の堅さ。39分にもFW高木翼の決定的なヘッドを岸が素晴らしい反応でストップするなど同点ゴールを許さなかった。神戸弘陵の森コーチは「どのゲームも悪く無い。でも決定的な仕事ができない。守れる選手と決めれる選手、点を動かせる選手がいない」。点を動かせる選手の不在が響いた神戸弘陵に対し、前掛かりになった相手の背後を取った興國はアディショナルタイム突入後の46分にMF上瀧翼の縦パスで抜け出したMF登幹介が左足で3点目のゴール。さらに48分にも左オープンスペースへ抜け出したFW西山倖太朗の折り返しをMF内山颯基が押し込んで優勝を決めた。

 個々の身体能力の高さに加えて、風巻コーチが「今年はみんな技術が高い」と分析する興國。昨年とはまた違う色を出してタイトルを勝ち取った。8試合で得点30、失点わずか4という“横綱相撲”のような勝ちっぷり。風巻コーチは何より2点目のシーンで見られたように、GKとの1対1のシーンで慌てて打ち切ってしまうのではなく、より高い選択肢を選んでゴールに結びつけるプレーが出たことを喜んだ。「個の強い集団がチームになってきた」

 彼らの目標は興國のサッカーを全国で披露すること。米田は「どんな相手でもバルサみたいに主導権握れるサッカーがしたいです。チームとしては2年後の選手権では全国の人に興國のサッカーはこんなに凄いんだと知らせないとダメだし、それが自分らの使命やと思う。バルサみたいな前線の迫力とリスクあるけれど徹底したパス回し、それは見ている人も楽しいと思う」。2連覇を達成したが、目標はもっと先にある。先輩たちを上回るような日常を送って全国へ。「関西U-16~Groeien(育てる)~2016」も岸が「明日もあるんで全勝優勝狙っていく」と力を込めたように、先輩たちが成し遂げられなかった全勝Vを果たして終える。

[写真]後半8分、興國は古川が勝ち越しゴール
 
(取材・文 吉田太郎)
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